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2021.02.05

江戸と令和のクールチョイス!~エコ家電を賢く使おう~

省エネでエコな暮らしを実践するヒントは、実は江戸時代にたくさんあるというのが近年の話題。江戸時代の日本は、限られた資源とエネルギーを活用し、リサイクルやリユースが当たり前に行われていた循環型社会でした。大量消費時代を経て新たな循環型社会へと舵を切っている今、江戸時代に学ぶことは少なくありません。とはいえ、現代の便利で快適な暮らしは大切にしたいもの。家電製品だって欠かせません。
エコを実現する循環型社会と、快適な暮らし。これをつなぐのは、私たちの心構えと進化する省エネ家電の使い方にあるといえそうです。

捨てずに活かす! 江戸時代の暮らしぶりに学ぶ

人口が多ければごみ処理が問題になるのは、今も昔も変わりません。江戸時代、江戸のまちをはじめとする都市には多くの人が住んでいました。その分、ごみはたくさん出るはずですが、江戸時代は多くのものを再利用する循環機能が働いていました。たとえば、家々を回る紙ごみ専門の回収業者が古紙を買い取り、紙すきに再利用しました。また、炊事後のかまどの灰は灰買人という専門業者が買い取り、家庭から出るこうしたごみやし尿などが近隣の農村に持ち込まれ、肥料として活用されていたのです。その肥料を使って栽培された野菜などが江戸で消費されるという地域循環が行われ、江戸のまちからみれば、そうして流通した練馬大根や小松菜、滝野川ゴボウなどが特産品となり、農家の経済も潤しました。
また道具類も使い捨てにすることがありませんでした。鍋や釜を修理したのは鋳掛屋(いかけや)、桶や樽を修理したのは箍屋(たがや)と呼ばれる専門の職人がさまざま活躍していたからです。

現代のように大量のごみを焼却処分するには大きなエネルギーが必要ですが、再利用の徹底によってごみを減らすことができれば、その分エネルギーも削減することが可能です。
用を満たさなくなったからといってすぐに捨てるのではなく、別のところで活かしたり、再生したりする江戸の人々の知恵と工夫は、現代にも生かすことができるはず。使える資源やモノが限られていた時代だからこそ生まれた、捨てずに使い切るのが当たり前という生活スタイルを一人ひとりが見習えば、現代でも省エネでエコな社会の実現は決して難しくはありません。

左からかまど、練馬大根、竹の箍(たが)をはめた桶

江戸時代を見習う生活スタイルは、それぞれができるところから

では、現代を生きる私たちができるのは具体的にはどんなことでしょうか。
たとえば、風呂敷。レジ袋削減に伴ってエコバッグを持つ人が増えましたが、風呂敷を見直す声も再燃しています。風呂敷といえば、長いものも平たいものも、荷物の形を選ばず1枚で包んで運べるのも利点のひとつ。“包むもの”と思っているかもしれませんが、四隅を結んでバッグのように持ち歩くこともできます。最近はペットボトルなどから作った再生繊維製のものもありますし、木綿やポリエステルなどの風呂敷なら洗って何度でも使えるのも、エコな暮らしにぴったりです。

ごみを減らすという点で役立つものとしては、生ごみを微生物などが分解し堆肥化する家庭用コンポストがあります。コンポストには、バイオ式や乾燥式、両方を合わせたハイブリッド式などがありますが、家庭菜園などの堆肥として使用するならバイオ式やハイブリッド式が向いています。屋外設置用の大型タイプばかりでなく、マンションのベランダやキッチンにも設置しやすい小型タイプや全く電気を使わない製品もあるので、用途や設置場所、使いやすさなどを考えて選ぶとよいでしょう。自家製の堆肥を使って野菜を育てて食べ、生ごみが出たらまた堆肥にするという流れは、小さな循環型社会の実現といえるでしょう。焼却するごみの量が減れば低炭素化にも貢献できます。

また、多くの江戸庶民は、衣類を古着屋で購入していて、リサイクルが盛んでした。夏用と冬用がある布団や夏しか使わない蚊帳などは、必要なときに借りて使うことが当たり前のように行われていました。これはレンタルの走りと言えますが、モノをもたずに共有するという点では、現代のシェア文化と通じるところがあります。こうした暮らし方は、社会全体でみれば「作りすぎない」「無駄をつくらない」システムといえるでしょう。現代では不用品買取などを通じたリユースが進み、また車や家をシェアするマッチングサービスも誕生していて、シェア文化は広がっています。また洗剤やシャンプーなど、量り売りスタイルの復活の兆しもあります。江戸時代の人々の省エネでエコな暮らしに学びながら、私たちにできることはたくさんありそうです。

江戸っ子も驚く令和の家電で、省エネライフへ一歩前進!

江戸時代の省エネでエコな暮らしに見習うべき点はたくさんありますが、とはいえ、現代の暮らしに欠かせない家電製品は手放すことができません。
かつての氷室が冷蔵庫に姿を変えたように、昭和の時代にはさまざまな家電製品が普及。やがてエネルギー問題に直面したことで、社会課題の解決に向けて、令和の進化系家電製品はますます省エネ化が進んでいます。

とくに、冷蔵庫は24時間365日稼働するものですし、おうち時間が長くなっているこの頃では照明を使う時間も増えていることでしょう。電気代も気になるところです。

実は冷蔵庫は最新機種を選べば、消費電力量は10年前に比べて半分近くになるというデータがあります。エアコンも年間約17%の削減になります。照明については、ご存知の方も多いと思いますが、一般電球をLEDランプに変えるだけで年間約86%もの削減になるのです。

冷蔵庫の買換え効果

エアコンの買換え効果

電球の取り換え効果

※出典:一般財団法人 家電製品協会 2020年度版「スマートライフおすすめBOOK

令和のアイデア家電で楽しく快適なエコライフを!

さらに令和の家電は、省エネなうえに、さまざまな技術の革新やアイデアによって、便利さと快適性が進化しています。
たとえば、洗濯機。水道水が家庭に届くまでには浄水・排水処理など大きなエネルギーがかかっているので節水は省エネ観点でも大事なポイントですが、少ない水でも効率的にきれいに洗うことができる技術や、センサーで洗い物の量を判断して使用水量の無駄を省いたりする節水機能が搭載されたものも多く登場しています。また、運転中の無駄を省く省エネモードや、水温が高い季節は自動で稼働時間を短縮してくれたり、電源オフ時はコンセントにつないだままでも消費電力がゼロになる機能など、便利かつ省エネになる機能がさまざま誕生しています。
また、お使いの家電製品と組み合わせて使用することで、快適性と同時に節電を叶えてくれるグッズもあります。たとえば、消費電力やCO2排出量を確認できるタイマーや予め設定した電気料金になると自動的にオフになるタイマー、スマートフォンと連携させて家電を遠隔操作できるスマートプラグなど。上手に使えば楽しくエコな暮らしが実現できそうです。

江戸時代に通じるエコな暮らし方を見直して現代流に生活に取り入れてみたり、最新の省エネ家電に買い変えることで、無理なく、エネルギーを賢く使って消費を抑えることができます。生活が一新することが多い春に向け、暮らし方を見直してみてはいかがでしょうか。