環境にやさしい自動車を選んで、「ゼロカーボン・ドライブ」しませんか?
新型コロナの流行で、密を避ける移動手段として、プライベートな空間がつくれる自動車が注目されています。
価格や性能、デザインなど、自動車選びの基準はさまざまですが、せっかく買うなら環境にやさしい「エコカー」にしてみませんか?
私たちが排出するCO2のうちの12%が、家庭由来の自動車などの移動によるものといわれている中、環境省の「ゼロカーボンアクション30」の「(16)ゼロカーボン・ドライブ」では、環境に配慮した電気自動車(EV)や 燃料電池自動車(FCV)を活用して走行時のCO₂排出量をゼロにするアクションを紹介しています。
自動車業界もカーボンニュートラルの実現に向けて、さまざまな取り組みを行っています。トヨタ自動車株式会社の取り組みを聞きました。
――先日、バッテリーEV戦略について発表されていましたね。カーボンニュートラルの実現に向けて、どのような取り組みをしていますか?
カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みの一つとして、「2030年までに、バッテリーEV(電池パックに充電された電気エネルギーで走行する自動車)を30車種展開し、グローバルでは年間350万台の販売を見込む」という目標を発表しました。
多様化が進む今の時代、トヨタブランドでは約100車種、レクサスブランドならば30車種の車を世界に展開しています。今後は選択肢の一つとして、バッテリーEVも加え、消費者の方に、お住まいの国や地域のエネルギー事情、それぞれのライフスタイルなどに合わせた自動車を選んでいただきたいと考えています。
そして、バッテリーEVを展開することで、「カーボンニュートラルビークル」(クリーンエネルギーを使って、CO2排出量をゼロにする)の選択肢を広げたいと考えています。
「2030年までに」と掲げていますが、ここ数年で出る予定のモデルがいくつもあり、バッテリーEVは、決して遠い未来の話ではないんですよ。
ガソリンや軽油等を燃料とした従来の内燃機関自動車とは動力部や燃料などが異なる、さまざまなエコカー(環境省「エコカーQ&A」より)
――バッテリーEV以外の取り組みは?
バッテリーEVに乗ればカーボンニュートラルを実現できるかというと、そうではないんです。走っているときは確かにCO2は排出しませんが、自動車や電池の製造時や走らせるための電力をつくる場面ではCO2が排出されます。
そこで求められるのが、商品やサービスの原料調達から廃棄・リサイクルに至るまでを通して環境負荷に配慮する「ライフサイクルアセスメント」という考え方です。
そのためには、電気エネルギーを前提としたバッテリーEVを増やすだけでなく、再生可能エネルギーを活用した他のアプローチも必要です。
MAZDA SPIRIT RACING Bio concept DEMIO
水素エンジン車両「SUZUKA S耐」での様子
2021年に取り組んだのが、水素を燃焼させることで動力を発生させる「水素エンジン」車でのカーレース参加です。
この取り組みは、トヨタだけではなく、スバル、ヤマハ、川崎重工などと協力して進めているものです。2021年11月に岡山県で行われたレースでは、水素エンジンだけではなく、ユーグレナ社が製造したミドリムシの油脂と使用済み食用油を原料とした100%バイオ由来のディーゼル燃料を使い、マツダが参戦しました。
どんな燃料を使って走るのか、それはどうやって作られているのかというところまで、みんなが考えられるようになると、カーボンニュートラルの実現にまた一歩近づくのではないでしょうか。日本自動車工業会が解説している「カーボンニュートラルの基礎知識」(外部サイトへリンク)も、参考にしていただければと思います。
日本自動車工業会「カーボンニュートラルの基礎知識」ページより
人生の中で自動車の購入は大きな買い物の一つ。
「環境にやさしい」にも配慮すると、地球温暖化対策につながります。
まずは、選択肢の一つにエコカーを入れることから始めてみませんか♪
脱炭素社会の実現には、一人ひとりのライフスタイルの転換が重要です。
「ゼロカーボンアクション30」にできるところから取り組んでみましょう!