- 上昇し続ける世界平均気温
- 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書(2013~2014年)によると、陸域と海上を合わせた世界平均地上気温は、1880年から2012年の期間に0.85℃上昇しました。
最近30年の各10年間は、1850年以降のどの10年間よりも高温を記録しています。
- 増加し続ける二酸化炭素(CO2)濃度
- 産業革命以来、人間は石油や石炭などの化石燃料を燃やしてエネルギーを取り出し、経済を成長させてきました。その結果、大気中のCO2濃度は、産業革命前に比べて40%も増加しました。温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)の観測でも、増加傾向が見られます。
21世紀末の地球は?(将来予測)
IPCC第5次評価報告書では、20世紀末頃(1986年~2005年)と比べて、有効な温暖化対策をとらなかった場合、21世紀末(2081年~2100年)の世界の平均気温は、2.6~4.8℃上昇(赤色の帯)、厳しい温暖化対策をとった場合でも0.3~1.7℃上昇(青色の帯)する可能性が高くなります。さらに、平均海面水位は、最大82cm上昇する可能性が高いと予測されています。
地球温暖化のメカニズム
- 太陽からのエネルギーで地上が温まる
- 地上から放射される熱を温室効果ガス※が吸収・再放射して大気が温まる
- 温室効果ガスの濃度が上がると
- 温室効果がこれまでより強くなり、地上の温度が上昇する
- これが地球温暖化
※主な温室効果ガスの種類として、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、代替フロンなどがあります。
地球温暖化によるさまざまな影響
地球温暖化によるここ数十年の気候変動は、人間の生活や自然の生態系にさまざまな影響を与えています。たとえば、氷河の融解や海面水位の変化、洪水や干ばつなどの影響、陸上や海の生態系への影響、食料生産や健康など人間への影響が観測され始めています。
- 気温の上昇
- 現在以上の温暖化対策をとらなかった場合、最高気温が30℃以上となる真夏日の日数は更に増加することが予測されています。東京の現在の真夏日は年間約46日。21世紀末には、年間約103日、1年の3割近くが真夏日となります。
- 海面水位の上昇
- 気候変動が及ぼす海面水位の上昇は、沿岸や低平地、小島嶼(しょうとうしょ)に住む人々の暮らしに大きな影響を与えます。台風による高潮、沿岸域の氾濫、海岸侵食による被害をより多く受けることになります。
- 農作物への影響
- 食料生産への影響も現れています。リンゴは秋に色づきますが、その時期の気温が高いと色づきが悪くなったり遅くなったりします。収穫時期は色づきの程度で判断するため、収穫時期に影響が出ます。