全国102地域を選定! 脱炭素先行地域の概要と取組事例
2050年ネット・ゼロの実現に向けて、地域・くらし分野に密着した地方公共団体が主導する「地域脱炭素」の取組が重要となります。この度、「脱炭素先行地域」の第7回選定を行い、計102の地域が脱炭素先行地域となり、「2025年度までに少なくとも100地域選定する」という目標を達成しました。
※選定後に3地域が辞退したため、現在脱炭素先行地域の取組を実施しているのは99地域となっています。
本記事では、脱炭素先行地域の概要や選定状況、取組事例についてご紹介します 。
1.地域脱炭素・脱炭素先行地域について
わが国では、2050年までにネット・ゼロの実現、2030年度に温室効果ガス46%削減(2013年度比)を目指すとともに50%の高みに向け挑戦を続けることを表明しています。これら目標の達成には、地域特性に応じた再生可能エネルギー(以下、再エネ)の最大限の導入が不可欠となります。
そこで国は、地域資源である豊富な再エネポテンシャルを活用し、脱炭素の取組により地域の経済収支の改善や地域課題解決を目指す「地域脱炭素」の取組を進めるべく、2025年までの5年間を集中期間と位置付けて施策を進めてきました。その主要施策の一つが「脱炭素先行地域」の選定です。
脱炭素先行地域とは、2050年を待つことなく2030年度までに、脱炭素(民生部門(家庭部門及び業務その他部門)の電力消費に伴うCO2排出の実質ゼロ)と地域課題解決を同時に実現する地域のことで、脱炭素に取り組む自治体の先行例となり、地域脱炭素の取組を広げていくことが期待されています。
環境省では、この脱炭素先行地域を2025年度までに少なくとも100地域選定するという目標のもと、選定を行ってきました。
なお、地域脱炭素、脱炭素先行地域については、過去の記事でもご紹介していますので、ぜひそちらもあわせてご覧ください。
2.脱炭素先行地域選定の総括
2026年2月13日、「脱炭素先行地域」の第7回募集にて、新たに12の地域を選定しました。
これにより、計102の地域が脱炭素先行地域して選定され、「2025年度までに少なくとも100地域選定する」という政府目標を達成しました。
目標としていた100地域以上の選定という1つの区切りを迎えたことから、今回で募集を終了します。
※選定後に3地域が辞退したため、現在脱炭素先行地域の取組を実施しているのは99地域となっています。
第7回の選定においても、脱炭素と地域課題解決の同時実現に向け、地域特性を踏まえた明確なテーマ設定がなされるとともに、今後の横展開や持続的な取組の基盤が構築される提案が高く評価されました。
新たに選定された12地域のうち、銚子市・石川県の取組について、下記の通り紹介いたします。
第7回選定 主な事例
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また、これまでの選定においても、農村漁村・離島・都市部等の多様な地域において、全国の先行例・模範となる多様なモデルが創出され、取組が進められています。
脱炭素先行地域の取組事例
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3.地域脱炭素の今後の取組
今後は、新たな選定を重ねる段階から、選定された地域が着実に成果を積み上げ、提案を実現するとともに経験と知見を全国へ還元する段階へ本格的に移行することになります。現在も取組を進める中で、事業の実施体制の確保や需要家との合意形成、再生可能エネルギーの導入等に対する課題が出てきています。
環境省としては、地方環境事務所を中心とした積極的なフォローアップの実施により、引き続き事業をサポートするとともに、脱炭素先行地域の成果・課題、その対応策等について整理し、発信を行ってまいります。
また、先行地域以外にも、地域脱炭素の取組を加速化させるため、人材、情報・技術、資金の面から地方公共団体等に向けて支援を行っております。具体的な支援内容については、「脱炭素地域づくり支援サイト(支援メニュー等)」「エネ特ポータル(令和8年度予算(案)及び 令和7年度補正予算 脱炭素化事業一覧)」でご案内していますので、あわせてご活用いただければと思います。
さいごに
第7回選定をもって、脱炭素先行地域の選定目標を達成し、一つの節目を迎えました。地方公共団体や共同提案者等、関係する皆様が、地域の実情と向き合い、工夫を結集し、多様な脱炭素のモデルの検討・構築に取り組まれることで、地域脱炭素の取組が各地で着実に進んでいることを感じています。
一方で、脱炭素先行地域は選定して終わりではなく、各地域から提案いただいた取組を着実に進め、計画を「実現」していくことが重要です。環境省では、各地域の計画実現に向けたフォローアップの実施や、取組を通じて得られたノウハウ・成功事例の共有によって、地方公共団体が主導する地域脱炭素の取組をさらに推し進めてまいります。