みんなでおうち快適化チャレンジTOP  記事一覧  運動不足を解消!プロが伝授する血行促進運動で心身を快適に
2020.12.11

運動不足を解消!
プロが伝授する血行促進運動で心身を快適に

ステイホームの時間が増えたことで、運動不足が心配という方が増えています。家にばかりいたら光熱費とともに体重や体脂肪率も上昇し、家計にも健康にもよくないことに。とはいえ急に運動を始めても三日坊主で終わってしまう…。そんなあなたのお悩みに応えてくれるのが、人気パーソナルトレーナーの鈴木孝佳さんです。誰でも簡単にできるストレッチ法を発信する鈴木さんのTwitterのフォロワー数は何と約4万1,000人。IT企業やスタートアップ企業の経営者にも熱烈な支持者がいるという鈴木さんに、お家で手軽にできて効果抜群のストレッチをうかがいました。

座ることが多い現代。まず立つことから始めよう

「冬でも室温を20℃くらいに保つことによって、エネルギーの消費を減らすとともに健康にも良いライフスタイルを送ることを『ウォームビズ』といいますよね。でも、多くの人は室温が20℃くらいだと寒いと感じるようです。寒さに強いかは、体脂肪量や筋肉量などが影響しますが、血行もそのひとつです。私は冬でも自宅で暖房をほとんど使っていないのですが、それでも快適に過ごしています。
血行がよくない場合、血色がよくないことが多いです。また手足など血液が十分に行き渡っていないので、冷えやすい上に、肩こりなどの筋肉のこわばりや緊張状態がずっと続いている状態になっています。これを解消して、血行を良くするには運動が良いのですが、運動習慣のない人にいきなり運動しろといっても、かえって身体に大きな負担がかかってしまうことがあります。
ではどうするか。私が運動不足だという人に最初にアドバイスをするのは、『まずは立ちましょう』ということです。
現代人はデスクワークが多く、生活の中で座っている時間が長いのです。家でも会社でも、座っている時間が長くて、立っていることが少ない。人は極端に重い脳を体のいちばん上にのせて、小さな面積の足裏でバランスをとって立って歩いているのですが、考えてみるとこれは奇跡のようなことです。そのため立つ機会が少なくなると、転倒リスクも増えてきます。また裸足で歩くなど、足裏に刺激を与えることも大切です。アスリートの世界でも、パフォーマンスを上げるために足裏の感覚を鍛えることが行われているのです。」

自宅でお手軽にできる効果的なストレッチ

「では、誰にでも簡単にできて、継続しやすい血行促進のためのストレッチを紹介しましょう。
この時、ポイントが二つあります。一つは、下半身を意識すること。実は筋肉の最も大きな役割は身体の発熱で、その筋肉の7割が下半身に集中しています。つまり下半身を鍛えることにより、血行が促進され、体温も上昇するのです。
下半身を鍛えるには、やはりスクワットがいいでしょう。両足を肩幅まで広げて、3秒で腰を沈めて、次の3秒で腰を上げる。これを10回繰り返します。
次に、ひざを立てた状態で仰向けに寝ます。そのまま3秒かけて腰を上げ、また3秒かけて腰を床までおろします。これを10回。スクワットもこちらの運動も、途中で息を止めないようにしましょう。」

呼吸を見直して、副交感神経優位の状態をつくる

「血行促進のためのもう一つのポイントは、身体を副交感神経優位の状態にもっていくことです。人間の自律神経には交感神経と副交感神経があり、日常生活では交感神経が活発な状態になっています。交感神経が優位だと、末梢の血管が収縮します。つまり戦闘モードの状態ですね。これをリラックスモードの副交感神経優位にもっていくのですが、そのためには呼吸が重要になります。座りすぎとともに今の私たちは、呼吸の機能が衰えて呼吸の回数が多くなっています。なので、運動の前に自分の呼吸を見つめ直してみましょう。そして1分間に呼吸を4回にまで減らす運動をしてみます。
1分間に4回なんてとてもムリ、と思ったかもしれませんが、そんなことはありません。たとえば、正座した状態から、背中を丸めて手から肘までを床につけます。5秒息を吐いて、5秒止め、5秒吸います。吐くときは口から息を吐き、吸うときは鼻から息を吸います。これを4回繰り返して下さい。実際にやってみると、誰でも思ったより簡単にできますよ。」

「どのストレッチもわずか1分でできますので、仕事や家事のちょっとした合間に行うことができます。続けていくうちに血流が良くなるので、身体が暖かくなっていることを実感できるでしょう。
長続きさせるためには、無理をしないこと。また思い付いたときに、パッとやってみることです。持病などがある方は、行う前に主治医と相談された上で実施してください。」

鈴木孝佳(すずき たかよし)

パーソナルトレーナー。会員制ジム「ビーストイック」代表トレーナー・CTO。スポーツトレーナー養成の専門学校を卒業後、2010年にパーソナルトレーナーとして独立。現代人の姿勢、不調を改善する専門家として、脳神経学や運動生理学に基づき述べ8,000人以上の身体を改善。年間約1,500件ものレッスンを行う。著書に『疲れない体を作るボディハック』(イースト・プレス)、『全人類、背中を丸めるだけでいい』(講談社)など。

\ こちらもご参考 /

地球温暖化対策のひとつとして暖房時の室温を20℃(目安)に設定し、快適に過ごすためのライフスタイルを推奨する「WARM BIZ」(ウォームビズ)