みんなでおうち快適化チャレンジTOP  記事一覧  省エネ家電って何? 子どもと一緒に「消費電力」を調べてみよう
2020.12.22

省エネ家電って何? 子どもと一緒に「消費電力」を調べてみよう

みなさんは、ご自宅の家電がどのくらい省エネなのか、ご存知ですか?
よく耳にする「消費電力」が省エネのわかりやすい指標ですが、何を見て、どう比較すればいいのでしょう?
今回は、意外と知らない家電の「消費電力の見方」について紹介します。
意味や見方がわかれば簡単な計算式で比較できるので、小学生でもわかるはず。お子さんと一緒に自宅の家電について調べ、楽しく省エネについて考えてみませんか?
家電の買換えにも、きっと参考になるはずです。

まずは製品本体に表示されたスペックを確認

さっそくですが、自宅の家電がどのくらいエネルギーを消費しているか、まずは製品の性能スペックの確認からスタートです。
どの製品にも、型番や製造年式、製造番号などが記載されたシールが貼ってあるはずです。例えば冷蔵庫ならドアポケットの内側、テレビなら背面など目立たない(見つけにくい)場所に貼られていることが多いです。
そこには、例えば次のような記述があります。

消費電力 32W
電圧 100V 50/60Hz
電流 0.32A

これはLED照明器具に書かれた表示。消費電力は32Wだとわかります。
そしてもうひとつ、ここにある電流と電圧を掛けた数値が、消費電力になっていることに気づきましたか?

日本で家庭に供給されている「電圧」は一定(100ボルト)なので、「電流」が、家電の消費電力を決める大きな要素。
電流は、家電製品ごとに数値はまちまちで、電子レンジ、ジャー炊飯器、ドライヤーなどは高く、冷蔵庫、テレビなどは低めです。つまり、それは消費電力にも同じことが言えるわけです。

家電 アンペア(A)数 消費電力/
ワット(W)数
電子レンジ 15A 1,500W
ジャー炊飯器 13A 1,300W
ドライヤー 12A 1,200W
エアコン 6.6A 660W
冷蔵庫(450L) 2.5A 250W
液晶テレビ(42型) 2.1A 210W

※アンペア数、消費電力は平均的な目安の数値であり、製品ごとに異なります。

出典:エネチェンジ「でんきと暮らしの知恵袋」(外部サイトへリンク

「消費電力」「消費電力量」「年間消費電力量」は何が違う?

省エネを考えるには「消費電力」だけでなく、「消費電力量」「年間消費電力量」の意味も知っておきましょう。

  • 消費電力(W:ワット)は、1秒あたりに使用する電力の単位のこと。製品の性能のことですね。
  • 消費電力量(Wh:ワット時)は、家電を実際に使用する(した)時間を掛けたもの。電気代の請求項目にありますよね。
  • 年間消費電力量(Wh/年)は、一般家庭で使用される条件に近い基準を定め、1年間、基準どおりに稼働させたと仮定したときの消費電力量。日本工業規格(JIS)が定める。使い方によって消費電力が変わる家電の場合に、製品の省エネ性能を比べやすくするため予め表示されています。

※これらの数値は、家電本体や取扱説明書、カタログなどにも記載されています。

計算式にすると簡単。

消費電力(W)×使用時間(h)=消費電力量(Wh)

これを理解しておけば、

  • 家電製品の消費電力量がわかれば、使っていないときに電源をオフにするなどで、「どのくらい節約できるのか」がすぐにわかる。
  • 自宅の家電の年間消費電力量を調べることで、「どの製品がたくさん電気を消費しているのか」が確認できる。
  • 家電を買換える際に、製品ごとの年間消費電力量を比較して、「エコ家電を選ぶ」ことができる。 といったことができるのです。

例えば、ドライヤーは消費電力は1,200Wと大きいですが、使用時間が短いので、6分間の使用で1,200W×6分(0.1h)=120Wh。
一方、冷蔵庫は消費電力250Wと小さいですが、24時間使うので、1日では250×24h = 6,000Whにもなります。
だから、冷蔵庫のような家電を省エネ型に買い換えるのは効果が大きくなるのです。

すぐにできる省エネって、どんなことがある?

そしてさらに、消費電力量を減らすために家電の使い方を見直すきっかけにもなるでしょう。

その1:おやすみタイマーやおはようタイマーを、少しだけ短めに設定する。
  • 条件:1200Wのセラミックファンヒーターのおはようタイマーを、「1時間」から「30分」に変更。
  • 結果:120日間使用して、「72kWh」「1,944円」の節約。
その2:ホットカーペットを「半面モード」にする。
  • 条件:ホットカーペットの「全面モード」(450W)を、「半面モード」(225W)に変更。
  • 結果:1日8時間、120日間使用すると、「216kWh」「5,832円」の節約。
その3:ドライヤーは「強」ではなく「弱」で使う。
  • 条件:ドライヤーの「強」(1200W)を、「弱」(600W)に変更。
  • 結果:1日15分、365日間使用すると、「54.75kWh」「1,478円」の節約。
その4:掃除機をかけながら床を片づけるのではなく、片づけてから掃除機をかけることで使用時間を短縮する。
  • 条件:500Wの掃除機の、一日あたりの使用時間を「6分」短縮する。
  • 結果:365日使用すると、「18.25kWh」「492円」の節約。

※電気料金単価は 1kWhあたり「27円」で計算。(公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会)

これらの工夫で、実際に消費電力量は大きく変わってくるはずです。
このほかにどんな工夫ができるのか、お子さんと一緒にアイデアを出しあって、家族でルールを決めておくのも良いですね。

2倍も!? 古い家電と最新家電は「消費電力量」がどのくらい違う?

ところで、「家電製品は、新しいほど省エネ性能が高い」と耳にしたことがあると思いますが、実際に、どの程度の違いがあると思いますか?
家電の「消費電力」や「年間消費電力量」の見方がわかった今なら、次の表を見るだけで単に比較できますよね。

< 冷蔵庫(401~450L)>
製造年 年間消費電力量
(キロワット時)
2007年製 570〜640kWh
2010年製 470〜520kWh
2020年製 294kWh

出典:省エネ製品買換ナビゲーション「しんきゅうさん」

この表を見比べると、冷蔵庫(401~450L)の場合、2007年製と2020年製では、年間消費電力量が約2倍も異なります。 他にも、使用中の家電と新しい家電の比較が簡単にできる「しんきゅうさん」なら、「年間消費電力量」だけでなく「年間電気代」「年間CO2排出量」がどれくらい軽減できるのかまで、ひと目でわかるので試してみてください。

最新モデルの消費電力を知ってしまうと、ご自宅の製品の燃費の悪さに愕然とするかもしれませんが、その気づきはチャンスです。
「消費電力量」はそのまま電気代に反映されるので、今使っている製品の数値が悪ければ、まだ使えるようでも思い切って買換えを検討してみると良いでしょう。

この冬休み、お子さんと家中の家電製品の消費電力をチェックして、省エネについて一緒に考えてみませんか?