――ZEHにするメリットは何ですか？

断熱性能が高いので、体に優しいということなどが挙げられます。急激な温度差によって血圧が大きく変動するヒートショック現象を緩和することができます。

昔の家だと、冬場は朝起きてすぐに石油ストーブの前で暖まっていた人も多いのではないでしょうか。ZEHだとそんな必要はありません。夏は涼しく、冬は暖かい。ZEHは、いわば魔法瓶の中で暮らしているようなものなんですね。

それだけ断熱性能が高い住宅は気密性も高くなりやすいので、換気が重要です。当社のZEHには、熱交換器機能がついた換気設備がついています。
従来の住宅では、天井や壁にある給気口から空気を取り入れ、換気設備を使って強制的に排気する換気方法がとられていますが、当社のZEHでは熱交換型換気扇を使用して給気も排気も機械を使って行われます（第一種換気）。

従来の住宅では、換気をすると寒い空気が家の中にそのまま入ってくるので、室温との差が大きく、エアコンの消費エネルギーが上がります。しかし、当社のZEHだと、排出する空気の熱を利用して給気温度を室温に近づけるため、例えば、室内が20℃で、外が4℃だったときに、家の中に入ってくる温度を16℃くらいにでき、エアコンの消費エネルギーを低く抑えることができます。

また、太陽光パネルを設置して、自家消費できるのもZEHの魅力です。仕事や学校などで昼間家に誰もいない家庭は、昼間に発電した電気を電力会社に売電することもできます。

――ZEHを検討する上でのポイントはありますか？

さまざまな提案をしてくれる業者を選ぶことが、一つのポイントだと思います。
ZEHの審査や補助金の交付を行っている一般社団法人環境共創イニシアチブのWEBサイトなどで探すことができます。

「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー」や「省エネ大賞」などの賞を受賞している業者を選ぶというのも一つの方法です。ちなみにアイ・ホームは、エアコン1台で家の中全体の室温を保ちながら、換気もできる空調設備「マッハシステム」を導入した家づくりで、2021年度の省エネ大賞を受賞しています。

おすすめなのが、宿泊体験ができる展示場。車を買うときは、ほとんどの人が試乗をしますよね。それと同じで、家を買う前に試しに泊まってみることができます。住宅メーカー、工務店などが提供しているものあります。

環境に配慮した住宅は、その分、高価なイメージがあるかもしれません。一般的な住宅にプラス250～300万円が相場と言われていますが、補助金制度を使えば、もう少し抑えられて、決して手が出ないものではありません。アイ・ホームでは、年間100棟ほどの住宅を建てていますが、その8割以上がZEHです。