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事故防止対策からエコドライブが芽生えた!「運転の見える化」で企業が気づいた“意外”

事故防止対策からエコドライブが芽生えた!「運転の見える化」で企業が気づいた“意外”

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みずほ証券 リテール・事業法人部門 営業店業務部/光森正剛次長(写真・中央)
タイムズ24 タイムズカープラス事業部/齋藤章部長(写真・右)
環境省 地球環境局地球温暖化対策課 国民生活対策室/竹田智宏室長補佐(写真・左)

これまで「地球にやさしいエコドライブ」について、自動車部在籍の学生やトラック事業者、モータージャーナリスト、そしてエコドライブエキスパートな個人にスポットをあてて、わたしたちが知らなかった「エコドライブの奥深さ、楽しさ」を教えてもらいました。

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そして今回は、前回お伝えしたエコドライブ選手権 個人の部のレポートに続き、「法人の部」でエコドライブの走行距離がトップの企業に直撃!
まずは「エコドライブ選手権」について。エコドライブ選手権は、カーシェアリングサービス「タイムズカープラス」を全国展開するタイムズ24が主催し、地球温暖化対策の国民運動である「COOL CHOICE」を推進する環境省の特別協力により実施したイベント。
走行距離3km以上で、「急加速」「急減速」の回数がそれぞれ1回以内の運転をエコドライブと判定。エコドライブの総走行距離を競います。

タイムズカープラスでは、「急加速」と「急減速」について、次のように定義しています。
◆急加速:3秒間で+25km/h以上の速度変化があった場合
◆急減速:3秒間で-35km/h以下の速度変化があった場合

そして今回、エコドライブ選手権 法人の部でエコドライブの走行距離がトップだった企業は、みずほ証券株式会社。

環境省では、みずほ証券株式会社を環境大臣賞として表彰。同社リテール・事業法人部門 営業店業務部 光森正剛次長が出席され、表彰式のあと、同社がカーシェアを導入して気づいたメリットや可能性について光森次長に語っていただきました。

カーシェアを選ぶ最初の理由は「地球にやさしい」じゃなかった

―――そもそも、みずほ証券は、なぜカーシェアを選択したのか。光森次長はリース車両の一部をカーシェアに切り替えた理由についてこう話します。

「われわれは全国に100以上の営業拠点をもっていて、リース車両もその拠点規模にあわせた数を保有しているという状況です。そこでまずリース車両を2~3割減らし、その代替策としてカーシェアを利用することで、車両コスト全般の削減が出来るのではと考えました。」

「するとまず、リース料・保険料の削減はもちろんのこと、とくに駐車場コストが大幅に軽減されたことは大きな変化ですね。また、カーシェアを選択することで営業効率も上がるだろうと想定していましたので、この車両コスト削減と営業効率向上という2点から、カーシェアをチョイスしたという経緯があります」

「見える化データ」の共有によるエコ意識の芽生え

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また、光森次長は、カーシェアの導入で実感した「見える化」効果について、こう教えてくれました。

「カーシェアリングサービスでは、『利用者の詳細な走行データの把握』いわゆる『見える化』が可能ですので、そうしたデータを毎月営業店(拠点長)に還元することで、事故等の未然防止に努めてきました。つまり、最初からエコを意識していたわけじゃないんですね。ですから、こうして表彰されても『どこがよかったんだろう』って、正直驚いているというのが実情です」

「毎月営業店に還元している『見える化データ』の中には、今回の評価基準ともなった急発進・急加速データも含まれており、利用者に『運転内容はすべて見られている』という印象を与え続けたことが、「危険運転の抑制」⇒「安全運転の励行」ひいては「エコドライブの実現」に繋がったのだと思います。エコからスタートしたわけではないですが、カーシェアリングサービスの導入が、副次的な効果としてエコドライブに繋がったということです。」
「今回はいわゆる『棚ボタ』でしたが、今後は『車両コストの削減施策の推進が、ひいては地球温暖化の防止の一助もなす』という自負を持ち、カーシェア利用の促進に努めたいとあらためて考えています。」

カーシェア利用による地球温暖化対策への参画意識の醸成

―――また、みずほ証券 光森次長は、サラリーマンのリアルな実状、カーシェア導入による社員の意識変化についても、こう話しています。

「われわれサラリーマンは、通常の営業活動を行う中で、『地球温暖化対策のためになにか役立っている』と肌で感じるシーンがないのが実情です。クールビズなどに賛同しているものの、これにより『自身の行動が地球温暖化に役立っている』という実感は正直それほどないのです。」

「そうした中、今回のエコドライブ選手権は、『日々の営業活動の中で、正しい自動車運転を行なうことは、地球温暖化防止に貢献する』ということを、社員に肌で感じさせられる斬新なアクションであると改めて認識しました。これをきっかけに、コスト削減・営業効率化および地球温暖化防止への取組みとして、カーシェアの利用促進を職員に情宣していきたいと考えています。」

社員を注意するためのデータ活用から社員をほめるツールへ

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―――さらにみずほ証券 光森次長は、「見える化データ」の活用方法の可能性について、語ってくれました。 「これまで、当社では『見える化データ』を、『こんなにスピードを出したり、急加速していると、事故を起こしますよ』といった指導・牽制のためにしか活用していませんでした」 「でも、今回のような評価を得たことで、今後は『環境にやさしい運転に取組んでいる部店選定』など『見える化データ』を褒めるツールとして活用するという可能性を強く感じています。」

運転の見える化で意識も変わる

―――みずほ証券のエコドライブ率は、90%と高水準。タイムズカープラスの担当によると、「そこにはカーシェアを採用する会社の企業文化も反映される」といいます。

「運転が見える化されると、ひとりで運転していても『見られている』という意識が根づいて運転スタイルや意識も自然に変わるんでしょうね」

「これからは、自社でリースする車両にも走行データを取得できるデバイスを設置して、運転の見える化を広げていく予定です。」

事故防止対策が実は環境にもやさしかった

―――また、今回のエコドライブ選手権 法人の部 表彰式に登壇した環境省 竹田室長補佐は、「事故防止対策が、実は地球にもやさしかった」と思う大切さについて、こう語りました。

「安全運転や事故防止のために各社が取り組む『運転の見える化』は、つきつめていくとエコドライブにつながっていく。この流れは今後も期待したいところですし、もっともっとこうした動きが広がっていくといいと思います」

「その先で、地球温暖化対策に小さいながらも貢献しているということに気づくことがとても大切で、今回のみずほ証券のように『事故防止対策が、実は地球にもやさしかった』というのは社員のモチベーションにもますますつながるんじゃないかと思います」

そして、みずほ証券 光森次長は、今回の受賞を経て、「ある心配もある」と冗談まじりに伝え、表彰会場に笑いを起こしました。

「実は少し心配していることが・・当社は褒められることに貪欲な体質ですから、こうした評価をいただくと『2期連続』とか『連覇』とかを要求される可能性がありまして・・やや今後のプレッシャーを感じているんです……うーん(笑)」

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