新発見⁉再発見⁉電車旅の魅力!
いつもは車の2人が見つけた、新しい幸せ。
車を使わない、久しぶりの電車旅。
「ねえ、今度の伊勢旅行、車じゃなくて電車にしない?」
そう言ったのは、いつも助手席の彼女の方だった。
「なんで?」
「いつも運転してもらってばっかりじゃん。電車で行くのもいいらしいよ。」
車は自宅から直接向かえて便利。僕が運転手で全然構わない。だけど、せっかく彼女が僕を気遣ってくれたわけだし、彼女の提案に乗ることにした。
ネット予約、確かにラクだ。
早速、電車を検索。スマホで座席を予約すれば、当日は窓口に並ばずICカードだけで乗れるみたいだ。便利になったなあ。住んでいる名古屋から伊勢までは、近鉄特急で一本。伊勢神宮の内宮に近い宇治山田駅で降りよう。公式HPを見ると、外宮から参拝するのが慣わしみたいだけど、おはらい町やおかげ横丁でゆっくりするために、今回は内宮から参拝。さて、何時の電車にしようかな。
「これ知ってる?」
と彼女が見せてきたスマホ画面には、見たことのないカッコイイ車両が。
「『しまかぜ』っていう電車。これ乗ろう!」
「え、めっちゃカッコイイじゃん。いいね!」
なかなかの人気車両みたいで、行きの便はもう予約で埋まっていたけど、なんとか帰りの便で『しまかぜ』の座席を確保。行きの便はこちらも人気の『伊勢志摩ライナー』で向かうことに。あっという間に準備ができてすごくラクだった。
いざ、出発!旅の気分が盛り上がる景色と座席。
旅行当日、近鉄名古屋駅改札前に集合。今日は運転しないから両手がフリーだ。趣味のカメラを好きなだけ撮ることができる。彼女も、電車の中で食べるおやつの買い込みに余念がない。伊勢志摩ライナーも到着したし、さあ出発!
出発して10分ちょっと。早速大きな川を渡る。一級河川の木曽川と長良川だ。水面に空の雲が反射してとても綺麗。曇りの日は雲がいい仕事してくれるから、実は撮影日和だったりする。伊勢志摩ライナーは先頭車両のフロントガラスが特色。すれ違う電車が向かってくる、ダイナミックな写真もいい。そんなことを彼女と話し、お菓子を食べながら、ワイドビューの景色とともに、今日の旅が始まった。移動からもうこんなに楽しいなんて、想像以上だ。
宇治山田駅到着。いざ伊勢神宮へ。
あっという間に1時間20分が過ぎ、伊勢神宮内宮に近い宇治山田駅に到着。この駅は、国の登録有形文化財にも指定されていて、シンプルだけどレトロな雰囲気を漂わせた、明治・大正を思わせる造り。車だったら通り過ぎていただろうけど、電車ならこうした名所にも立ち寄ることができる。ここから伊勢神宮の内宮に向かうバスも、レトロで情緒があっていい。駅とバスが揃ったベストアングルを見つけてパシャリ。宇治山田駅から伊勢神宮の内宮までは、バスで15〜20分ほど。参拝客が多い午前から夕方までは、10分間隔で発車している。車窓から見える綺麗な紅葉に心が躍る。観光地の景色を、ゆっくり眺められるのもバスの魅力だなあ。
賑わう町と、静かで厳かな内宮。
内宮前に到着。電車とバスで来たから、駐車場探しや列に並ぶ必要もない。駐車料金のことも考えなくていいし、慣れない道路での運転もないから、気持ちに余裕が生まれる。バスを降りてすぐ、腹ごしらえにおはらい町とおかげ横丁へ。伊勢といえば、名物伊勢うどん。柔らかい麺に、甘い醤油だれがよく絡んで美味しい!お土産の赤福を本店で買って、僕達も店内で五十鈴川を眺めながら食べる。久しぶりの赤福、やっぱりうまい!
町には、歩いているだけでカメラを構えたくなる風景やシーンが盛りだくさん。江戸時代のような石畳の通り、切妻・入母屋・妻入り様式の街並み、名物やお土産の店など、彼女も歩きながらすごく楽しんでいる。
「これ、お母さんへのお土産。」
と彼女。やさしいなあ。
いよいよお参り。五十鈴川に降り立つ白い鳥。幻想的な光景に気持ちが高まる。静かだけど強さを感じる境内を進み、本殿で願掛け。僕はこれからの二人のこと、お願いした。彼女は何をお願いしたんだろうなあ。
帰りはいよいよ、お楽しみの電車『しまかぜ』に乗車!
お参りを済ませて、バスで宇治山田駅に戻り、いよいよ『しまかぜ』に乗る。到着の瞬間は、本当に「カッコイイ」の一言。ホームに進入してきて彼女と並んだその一枚は、間違いなく本日のベストショット。電車をカッコイイと思ったのは、いつ以来だろう。久しぶりに子どもみたいにはしゃいでしまった。興奮そのままに電車に乗ると、ワイドビューのゆったりした座席が目の前に広がる。先頭と最後部車両は、フロント部分が全面ガラス張りなのも嬉しい。これは、ゆっくりできそうだ。
発車してすぐ、アテンダントの方がおしぼりと記念乗車券をくれた。特別感を演出してくれる粋な計らいがまた嬉しい。正面に景色広がる車内カフェも素敵。
次は、伊勢志摩国立公園に行きたい。
僕達は宇治山田駅から乗ったけど、この『しまかぜ』のターミナルは賢島駅。せっかくの特別な電車だから、
「次は賢島の伊勢志摩の国立公園に行きたいな。」と彼女。
ネットで検索すると、サイクリングもできるし、海や砂浜もすごく綺麗だし、ウミガメまで見ることができるみたい。名古屋から直通2時間で、そんな体験ができる場所があるなんて。三重って奥深い。次の旅行が楽しみだ。
旅が終わっても、疲れていない。
名古屋駅に着くまで、席でスヤスヤ。今回の旅、本当に最後まで楽しかった。あれだけ歩き回ったのに、疲れていない。移動中に寝ることができるなんて、これは確かに車にはないメリットだ。そんなことを思いながら名古屋駅のホームを歩いていると、
「ちょっと駅前のあの店で飲んでから帰ろうよ。」と彼女から提案。
そうか。電車旅だと、お酒も飲めるのか。
「いいね!行こう。」
在来線で帰る前に、気になっていた居酒屋に立ち寄ることに。電車旅、いいなあ。環境にも人にも優しい。これからは電車で行けるところは電車で行きたいな。お店で乾杯しながら、こんな素晴らしい旅のきっかけを作ってくれた彼女に感謝した。
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