暖房時の室温を20℃にして快適に過ごすライフスタイル

環境省では、平成17年度から冬期の地球温暖化対策のひとつとして、暖房時の室温を20℃にして快適に過ごすライフスタイルを推奨する『WARM BIZ』(ウォームビズ)を呼びかけています。

日本は、2030年度に向けて温室効果ガス排出量を26%削減(2013年度比)する目標を掲げています。政府では、率先した取組を自ら実施するために、暖房中の室温は「19℃を目途に過度にならないように適切に調整に努める」こととする方針を定め、地方公共団からだも同様の取組を行うよう協力を要請しています。

暖房利用によるCO2を削減し、地球温暖化を防止しよう!

ウォームビズは、暖房に必要なエネルギー使用量を削減することによって、CO2の発生を削減し地球温暖化を防止することが目的です。

一般的に、電力による冷暖房を行う場合、室温設定の調節による省エネ効果は、夏よりも冬のほうが大きいことが知られています。冬の暖房器具使用時に室温設定を今までよりも下げるようにすれば、CO2削減効果があるばかりでなく、電気代を効果的に節約することにつながります。ウォームビズは、家庭やオフィスにとって経済的なメリットもあるのです。

最近の断熱性の高い建物では、暖房をしなくても室温が20℃を超えるケースがあります。こうした建物はその性能そのものが地球温暖化対策に貢献しているといえます。ウォームビズでは室温20℃を呼びかけていますが、そのような建物について、冷房してまで20℃にすることを求めるものではもちろんありません。

暖房をつけずに済むのであればそれが最も望ましく、ウォームビズはあくまで適切な暖房使用を呼びかける取組です。


ウォームビズは、そんなに難しいことではありません。
今までのライフスタイルを少し見直すだけで、無駄になってしまうエネルギーを節約することができます。

首、手首、足首の「三つの首」をあたためましょう

  • ● マフラー、手袋、レッグウォーマーを活用
    太い血管のある部分を重点的にあたためることでからだ全体があたたまり、冷え性などの改善にも役立ちます。
  • ● お風呂上がりには一枚多く羽織り、寝るときも、首にタオルであたたかく
    お風呂上がりにいつものパジャマの上にもう一枚羽織ったり、寝るときに布団の隙間から入ってくる冷気から首もとを守ります。

「素材」に着目し、おしゃれにあたたまりましょう

  • ● 軽くて薄い腹巻など、機能性素材の下着
    より薄く、軽く、暖かく、機能性素材は進化しています。
    Tシャツ、腹巻き、股引、靴下など、下着の素材を意識して、体幹をあたためましょう。
  • ● セーターなど上に羽織るものは機能性素材を選んで着ぶくれ防止
    寒いからといってただ上に羽織るだけでは着ぶくれをしてしまうこともあります。
    そこで、機能性素材を活用したセーターやジャケットなどを選ぶことで着ぶくれを防いであたたかさもおしゃれ度も上昇します。

ひざ掛けやストールを活用しましょう

  • ● ひざ掛けでこまめな体温調節、ストールはひざ掛け代わりにも
    小さくたためるストールを用意しておいて、寒さを感じたときにさっと羽織ることで大人の色気を演出することもできます。
    スポーツ観戦などで利用されている“スポーツひざ掛け”など男性が使いやすいものもあります。

「鍋」でからだも室内もあたためましょう

  • ● 家族や友達と集まって鍋を楽しみながら、からだも室内もあたたかくして、暖房を緩和
    鍋は、家族や友人との会話を楽しみながら、からだも室内もあたたかくなって暖房も緩和できる一石三鳥にも四鳥にもなる料理です。
  • ● 鍋からの湯気による加湿効果で体感温度がさらに上昇
    体感温度は温度だけでなく、湿度や気流などのバランスで変わります。
    一般的に、湿度が高くなると体感温度が上昇しますので、鍋はもちろんのこと、お湯をはった鍋を置いたり、ストーブの上にやかんを置いてお湯を沸かしたりすることで、暖房を抑えても寒さを感じにくくなります。
  • ● 一部屋に集まって他の部屋の暖房や照明はオフ
    みんなが一つの部屋に集まることで他の部屋の暖房や照明などのエネルギーを使わずに済みます。
    さらに、お湯が必要なときにやかんで沸かし、残ったご飯は食品用ラップフィルムで小分けにして冷めたら冷凍することで、電気ポットや炊飯器の保温による電気代を節約することができます。
  • ● 冬が旬のもの、根菜類、しょうがなど、からだをあたためる食材にもこだわりを
    冬が旬の食材、根菜類、特にしょうがなどはからだを内側からあたためる効用があります。
    食材選びは「地産地消」を心がけることで、流通に係るCO2排出も削減できます。
    また、冷蔵庫に余っている食材も鍋にするなど、食べ物を無駄にしないことも大切です。

湿度を意識し、体感温度を上げましょう

  • ● 温度計、湿度計を近くに置いて室内環境を「見える化」
    同じ部屋に長くいると実際よりも寒く感じたり、あたたかく感じたりします。温度計、湿度計を置いて、室内環境を「見える化」して、無駄な暖房使用を控えたり、逆に冷えによる体調不良にも気をつけましょう。

窓やドアに注目しましょう

  • ● 窓やドアなどからあたたかい空気が逃げない工夫
    暖房を効率的に使用し、無駄なエネルギー使用を抑えるには、一度あたためた空気を外に出さないよう、室内に閉じこめておくことが重要です。窓、壁、床、天井(屋根)など家の様々な部分が空気や熱の出入り口になります。
    特に、全体の熱の約50%は窓から流出していきます。
  • ● 窓は断熱シート、複層ガラス、二重サッシなどを活用
    冬、家全体のあたたかい空気の約50%は窓から流出していきます。
    断熱シート、複層ガラス、二重サッシや厚手のカーテンなどで窓から熱を逃がさない工夫をしましょう。
  • ● 扇風機であたたかい
    お風呂で上の方が熱くなるように、あたたかい空気は上にたまります。扇風機を短時間だけつけて空気を循環させましょう。

「道具」や「小物」で暖房に頼りすぎない工夫をしましょう

  • ● 湯たんぽ、毛足の長いスリッパやクッションなどを効果的に活用
    足下を制して冬を乗り切るために、湯たんぽや毛足の長いスリッパは家だけでなく、職場の机の下でもぜひ活用しましょう。また、毛足の長いクッションは腰まわりからくる冷えの予防に効果的です。

入浴と運動の時間を大切にしましょう

  • ● 入浴でからだも心もあたためる
    日本人の大好きなお風呂は冬を快適にするために最も実感しやすい方法です。
    入浴でからだを芯からあたためて、冷めにくくするには20分ほどの時間をかけて、38〜39℃程度のぬるめのお湯に半身だけつかることが効果的です。
    お湯をぬるく、少なめに沸かすので、省エネや節水にもつながり、お財布にもやさしい入浴法です。
  • ● ゆず湯、しょうが湯、大根湯などでからだをあたためる効果が上昇
    ゆず湯、しょうが湯、大根湯などはお風呂の効果をさらに高める日本の知恵です。
    ゆずやみかんの皮を湯船に浮かべるだけで、これらに含まれている成分が皮膚を刺激し、血行を良くしてくれます。
    大根湯は大根の葉を1週間ほど乾燥させたものを刻んで布袋に入れて湯船に浮かべます。
    葉に含まれるミネラル成分により、血行促進や発汗効果があります。
  • ● お風呂上がりには一枚多く羽織り、寝るときも、首にタオルであたたかく(再掲)
    お風呂上がりにいつものパジャマの上にもう一枚羽織ったり、寝るときに布団の隙間から入ってくる冷気から首もとを守ります。
  • ● ちょっとした時間で足湯を行うのも効果的
    からだが冷えてつらい。でもお風呂に入るにはまだ早い、という時には大きめのたらいなどにお湯をためて足をつけることでとても楽になります。
    足湯の後は機能性素材の靴下や毛足の長いスリッパなどでしっかり保温しましょう。
  • ● 通勤、通学で一駅分を歩いたり、3階程度なら階段を使うことで体温上昇にも健康にも効果的
    いつもより多く動くことで体温上昇がはかれます。新陳代謝が活発になり、血行も良くなります。
    寒さを逆に利用して、日頃の運動不足も解消しましょう。
  • ● 家や職場で座ってできる血行促進運動
    足や首のストレッチなど、家や職場で座ってできる血行促進運動は新陳代謝を高め、冷えやコリを防ぎます。
余分な暖房を止めて、みんなでひとつの部屋、場所に集まることでエネルギーを節約するのが「ウォームシェア」。
たとえば、個別の部屋の暖房は止めて街へ出かけて、図書館や博物館、児童館などの公共施設、レクリエーション施設などを利用すれば、全体としてエネルギーの使用量を抑えることができます。
詳しくは「ウォームシェアについて」のページをご覧ください。
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