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JCM(二国間クレジット制度)とは何か?

~温室効果ガスの世界的な排出削減・吸収に貢献する取組~

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カテゴリ
国際連携

JCM(二国間クレジット制度)とは

二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism : JCM)とは、途上国等への優れた脱炭素技術、製品、システム、サービス、インフラ等の普及や対策実施を通じ、実現した温室効果ガス排出削減・吸収への日本国の貢献を定量的に評価するとともに、日本のNDC(国が決定する貢献)の達成等に活用すること、及び地球規模での排出削減・吸収行動を促進することにより、国連気候変動枠組条約の究極的な目的及びパリ協定の目的に貢献することを目指す制度のことです。

日本は、温室効果ガスの世界的な排出削減・吸収に貢献するため、途上国等の状況に柔軟かつ迅速に対応した技術移転や対策実施の仕組みを構築すべく、JCMを実施しています。

「二国間クレジット制度(JCM)」の概要イメージの画像を拡大表示

JCMの基本概念について

パリ協定の第6条は、他国で実現した排出削減量を国際的に移転する「市場メカニズム」について規定されており、JCMは第6条の市場メカニズムの代表例でもあります。

JCMの基本概念は大きく分けて、以下の3つがあげられます。

  • 優れた脱炭素技術やインフラ等の普及を促進し、パートナー国の温室効果ガス(GHG)排出削減・吸収や持続可能な発展に貢献する。
  • パートナー国での温室効果ガス(GHG)排出削減又は吸収への日本の貢献を定量的に評価し、日本及びパートナー国の排出削減目標の達成に貢献する。
  • パリ協定第6条に基づいて実施し、地球規模での温室効果ガス排出削減・吸収行動を促進することにより、国連気候変動枠組条約の究極的な目的の達成に貢献する。

また、地球温暖化対策計画におけるJCMの位置づけは以下となっています。

地球温暖化対策計画におけるJCMの位置づけ(2021年10月閣議決定)

途上国等への優れた脱炭素技術、製品、システム、サービス、インフラ等の普及や対策実施を通じ、実現した温室効果ガス排出削減・吸収への我が国の貢献を定量的に評価するとともに、我が国のNDCの達成に活用するため、JCMを構築・実施していく。これにより、官民連携で2030年度までの累積で、1億t-CO2程度の国際的な排出削減・吸収量の確保を目標とする。

JCMパートナー国

日本はJCMに関する二国間文書の署名を、これまで27か国(2023年8月現在)との間で行っており、他の途上国等とも様々な場を活用して協議を進めています。

JCMパートナー国(2023年8月時点):モンゴル、バングラデシュ、エチオピア、ケニア、モルディブ、ベトナム、ラオス、インドネシア、コスタリカ、パラオ、カンボジア、メキシコ、サウジアラビア、チリ、ミャンマー、タイ、フィリピン、セネガル、チュニジア、アゼルバイジャン、モルドバ、ジョージア、スリランカ、ウズベキスタン、パプアニューギニア、アラブ首長国連邦、キルギス、の27か国
「JCMパートナー国一覧(27か国)(2023年8月時点)」のイメージの画像を拡大表示

JCMプロジェクトの事例

これまでのJCMプロジェクトの活用事例をご紹介します。

活用事例 1. 【インドネシア】カライ 7 小水力発電所における発電システム能力改善プロジェクト 
活用事例 2. 【フィリピン】パイナップル缶詰工場におけるバイオガス発電及び燃料転換事業
活用事例 1・2 のイメージ画像を拡大表示
活用事例 3. 【ベトナム】化学工場へのバイオマスボイラーの導入 
活用事例 4. 【ベトナム】オフィスへの空冷チラーの導入
活用事例 3・4 のイメージ画像を拡大表示
活用事例 5. 【タイ】ブロックチェーン技術を導入したチェンマイ大学町コミュニティにおける 2.7MW 太陽光発電プロジェクト 
活用事例 6. 【フィリピン】パラヤン地熱発電所における 29MW バイナリー発電プロジェクト
活用事例 5・6 のイメージ画像を拡大表示
活用事例 7. 【タイ】繊維工場へのガスコージェネレーションシステム及び吸収式冷凍機の導入 
活用事例 8. 【ベトナム、ラオス】配電網へのアモルファス高効率変圧器の導入
活用事例 7・8 のイメージ画像を拡大表示

JCM設備補助事業のご案内

環境省では、途上国等において優れた脱炭素技術等を活用して温室効果ガスを削減するとともに、日本の貢献に応じたJCMクレジットの獲得を目指すJCMの推進に向けて、JCMの下で行う事業に対して初期投資費用の一部を補助する「二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業」を実施しています。

本事業は、途上国等への優れた脱炭素技術等の普及や対策の実施を通じ、実現した温室効果ガス(GHG)の排出削減への我が国の貢献を定量的に評価するとともに、我が国の排出削減目標(NDC)の達成に活用する二国間クレジット制度(JCM)の推進に向けて、JCMの下で行う脱炭素設備の導入事業に対して初期投資費用の一部を補助するものです。
「二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業」(JCM設備補助事業)のイメージの画像を拡大表示
「環境省 JCM 資金支援事業(2013~2023年度)」のイメージマップ。(2023年8月17日時点でパートナー国合計:232件(27か国))
各国の内訳は、カンボジア:5 件、ミャンマー:8 件、バングラデシュ:5 件、サウジアラビア:3 件、モルディブ:3 件、エチオピア:1件、ケニア:5 件、ラオス:6 件、タイ:51 件、モンゴル:9 件、ベトナム:44 件、フィリピン:17 件、メキシコ:5 件、パラオ:5件、コスタリカ:2 件、チリ:13 件、インドネシア:50 件
「環境省 JCM 設備補助事業(2013~2021年度)」のイメージマップの画像を拡大表示

資料・パンフレット

そのほか、下記の関連リンク先においても、JCMに関する情報をご紹介しております。

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