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2021.12.22

自宅を断熱リフォームして、健康・省エネな暖かい冬のおうち時間を♫

断熱リフォームを行った岐阜県の住宅。外部建具に複層ガラスの断熱サッシを使用し、壁と床には底冷え感を解消するという高性能な断熱材を採用。
薪ストーブ(画面左)も配置し吹抜けを通じ2階も温め、寒さの厳しい飛騨の冬でも快適に過ごせる

風が冷たくなり、暖房の恋しい季節になりました。
おうち時間も長くなるこの時期、暖房もなるべく省エネに使いたいですよね。

以前、夏の暑さ対策としての断熱リフォームを紹介しましたが、断熱リフォームは冬にも効果的な寒さ対策ができます。

環境省では、「みんなでエコ住宅チャレンジ」として、ご自宅の断熱リフォームを呼び掛けています。

夏の断熱対策に続き、日本住宅リフォーム産業協会の副会長の杉村喜美雄さんに、寒い冬を快適に過ごすための断熱リフォームのポイントを聞きました。

日本住宅リフォーム産業協会 副会長
杉村喜美雄(すぎむら きみお)
日本住宅リフォーム産業協会 副会長 杉村喜美雄さん

一般社団法人 日本住宅リフォーム産業協会 副会長。住宅リフォームを手掛ける「育暮家(いくぼーや)はいほーむす」(静岡県藤枝市)を経営。性能向上リフォームに力を注いでいる。

――冬を快適に過ごすためのポイントは?

急激な温度差により血圧が大きく変動するヒートショック現象をはじめ、室温が健康に影響を与えることが分かっています。

2018年にWHO(世界保健機関)が発表した「住まいと健康に関するガイドライン」では、室温を18度以上にすることが強く勧められています。

でも、暖房設備を使って、ただ室温を上げるだけでは、エネルギーも大量に消費してしまいます。
いかに省エネで室温を上げるか、5つのポイントを紹介します。

おうちの断熱リフォームをすることで、冬は外からの冷気の侵入や、室内から外へ熱が逃げていくのを防げます(出典:環境省 エコ住宅チャレンジ)

おうちの断熱リフォームをすることで、冬は外からの冷気の侵入や、室内から外へ熱が逃げていくのを防げます
(出典:環境省 エコ住宅チャレンジ

1.建物を断熱リフォームする

断熱対策はおうち全体で行うことが理想です。

全体が難しい場合は、特に熱の逃げやすい窓や、室温が低い廊下や風呂場などの水回り、玄関や寝室に、断熱リフォームをするといいでしょう。

冬場の風呂場と脱衣所間の移動など、急激な寒暖差は血管を縮め、血圧を急上昇させます。この変化が、意識不明や心筋こうそく・脳こうそくなどを引き起こしたりすることを「ヒートショック」といい、冬場は特に発生しやすくなります。

おうちの断熱性能を上げて寒暖差を小さくすることで、ヒートショックの予防にもつながります。

2.太陽熱を生かす

太平洋側の日射量が多い地域では、1時間に電気ストーブ1台分、約600ワットの太陽熱が1間角(幅1.8m×高さ1.8m)の窓から入ると言われています。日光を遮断しないよう、レースのカーテンも開けて、日差しを部屋の中に取り入れましょう。
また、伸びた植栽で窓に影ができていないか確認しましょう。

3.断熱リフォーム後は、建物に合った効率の良い暖房設備を選択する

リフォームで断熱がよくなると、今までより小さなエアコンでも効率よく部屋を暖めることができます。リフォームと合わせて、エアコンを取り換えるのもおススメです。

4.着衣の工夫で省エネと暖かさをサポート

冬でも、「室内では薄着で過ごしたい」と、エアコンの温度を高く設定して過ごすような人もいます。着るものや靴下などで調整してエアコンの設定温度を見直しましょう。

5.断熱性能に合わせてエアコンの運転を切り替える

低断熱のおうちの場合は、暖めた空気が外に逃げやすいので、エアコンをつけっぱなしにするとエネルギー消費量も光熱費も増えてしまいます。

反対に高断熱の家では、エアコンを連続運転して室温を安定させた方が省エネになり、光熱費が抑えられます。

「断熱リフォームをしたのに、光熱費が下がらない」という人は、暖房設備の使い方や暮らし方を見直してみることが大切です。リフォームで断熱のために設置した扉を、開けたままにしているおうちなども見かけます。リフォームを担当した業者に暮らし方を相談してみるのもおススメです。

――12月からでも遅くない、効果的なリフォームはありますか?

断熱リフォームの例。左は断熱リフォームをする以前の玄関から見た廊下。玄関の冷たい空気が廊下を通って各部屋に運ばれてしまっていた。右は断熱リフォーム後。廊下に断熱性能のあるガラスで仕切り戸を設け、冷たい空気が奥の居間やトイレに流れ込まないようにしている

断熱リフォームの例。左は断熱リフォームをする以前の玄関から見た廊下。玄関の冷たい空気が廊下を通って各部屋に運ばれてしまっていた。
右は断熱リフォーム後。廊下に断熱性能のあるガラスで仕切り戸を設け、冷たい空気が奥の居間やトイレに流れ込まないようにしている

例えば、室温が25度ある部屋にいても、部屋のどこかに冷たい場所があると、体感温度では寒いと感じることがあります。

12月からの短期間のリフォームで効果を上げるには、まずは窓と床から断熱するのがおススメです。窓は熱の出入りが多く、床は、足元が暖かいと満足感を得られやすいからです。すると、壁や天井はそのままでも暖かく感じることが多いです。

暖房使用時、外に熱が逃げる割合の例。住宅から出ていく熱の多くは、窓など開口部から逃げていく

暖房使用時、外に熱が逃げる割合の例。住宅から出ていく熱の多くは、窓など開口部から逃げていく

また、隙間風や冷たい空気の流れを止めることで暖房効率を上げられるため、廊下や階段の登り口に扉を設けたり厚手のカーテンをつけたりすると、暖かさを感じられると思います。

窓は、窓全体を断熱化することをおすすめします。
長く使った古いサッシの枠を残してガラスだけを替えても、枠自体にすき間ができていることがあるためです。また、高齢者の住まいでは、開閉や掃除の手間についても考慮しましょう。

窓が寒い場合、空気層を設けた複層ガラスや二重窓にする方法がある

窓が寒い場合、空気層を設けた複層ガラスや二重窓にする方法がある

暖房設備は、穏やかな暖かさを感じられる床暖房がおススメです。
ほかのリフォームに先行して、床暖房工事を進めることもよいかもしれません。
ただし、次回リフォームを行う際に2度手間にならないか、将来的なことも考えた工事の提案をしてもらうようにしましょう。

床暖房が難しい場合は、床を、木材や絨毯など空気を含んだ熱伝導率の低い素材に替えると、足元からの熱が逃げにくくなります。

そのほか、玄関ホールと居間の間に扉を設けたり、玄関の扉を高断熱性のものに替えるのもおススメです。

――おうちに合ったリフォーム業者を探す方法は?

リフォーム業者の特徴を捉えましょう。断熱リフォームの普及はまだ途上にあり、例えば、事業者によって提案や工事の方法が異なる場合があるので、ご自宅に見合った内容でリフォームができるように、いくつか事業者やメーカーに問い合わせてみましょう。断熱リフォーム後に検証や設備の使い方や暮らし方のアドバイスを積極的に行ってくれるところがおススメです。

断熱リフォームはもちろん、どんなことを得意としているか調べ、希望と合った業者を選びましょう。

以下のサイトから、お住まいの地域のリフォーム業者を探すことができます。

住宅リフォーム事業団体登録制度・国土交通省・住宅リフォーム推進協議会 「住宅リフォーム事業者団体登録制度」(外部サイトへリンク)

住宅リフォーム推進協議会  「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト(令和3年度版)」(外部サイトへリンク)

おうち時間の長くなる冬も、断熱リフォームで快適に過ごしたいですね。断熱リフォームとエアコンなどの設備費用を補助する制度もあるので、補助金を活用しながら、おトクに断熱リフォームしてみては、いかがでしょうか?

ゼロカーボンアクション30

脱炭素社会の実現には、一人ひとりのライフスタイルの転換が重要です。 「ゼロカーボンアクション30」にできるところから取り組んでみましょう!

12 暮らしに木を取り入れる

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