夏に向けた省エネ効果のある脱炭素アクションのご紹介と熱中症のご注意(2025年度版)

既に日中の暑さを感じている方がたくさんいらっしゃるかもしれませんが、気象庁の3ヶ月予報によると、今年の夏の気温は平年より高くなる見通しです(出所:気象庁 | 季節予報解説資料)。
脱炭素につながる省エネや節電対策の中には、設定温度の調整など適宜実践できるものだけでなく、事前の検討や準備に時間がかかる取組もあります。
この記事では、今夏にかけて計画的な準備が必要となるものの、総合的に省エネ・節電効果の高いと考えられる取組について、国民の皆様と事業者の皆様に向けてご紹介しますので、暑さが本格化する前の検討、準備の参考になれば幸いです。
国民の皆様へ
環境省では、「無理や我慢を強いる」省エネではなく、「暮らしに取り入れることで健康にも、家計にも、地球にも優しい」省エネ・節電の取組を呼びかけています。
暑い夏を乗り切り、さらには年間を通じた省エネ・節電効果を得るために、リフォームや機器の買い替え等の準備を今から進めてはいかがでしょうか。
省エネや節電の観点では、日射熱対策や冷房の効率的な運転とともに、補助金等を活用して高断熱窓への改修や、住宅の断熱リフォーム(例:断熱窓の設置など)を行うことが考えられます。
また、ZEH*を目指す観点では、断熱に加えて、太陽光発電設備や蓄電池、高効率の給湯器・節水機器などを併せて導入するなど総合的な検討が有効です。
*ZEH:Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略称。外皮(窓・壁・屋根・床等)の断熱性能を高めるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギー等を導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した住宅のこと。
また環境省では「省エネライフ*」のキャンペーンを実施していますので、是非ご活用ください。
*省エネライフ:太陽光発電設備、断熱リフォーム、高効率給湯器、省エネ家電、節水機器を設置・工事いただくことで、ご自宅の住環境を快適にするだけでなく、月々の光熱費を削減することができ、さらにはCO2排出削減にも貢献できる暮らしのことを指す。
環境省では、2050年ネットゼロ及び 2030年度削減目標の実現に向けて、国民運動「デコ活」(脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動)を推進しています。上記も含む脱炭素に資する行動であるデコ活アクションを一覧にまとめていますので、ご自身の状況に合ったアクションを見つけ、取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。

熱中症のご注意
環境省は、令和7年4月23日(水)から、令和7年度熱中症特別警戒アラート及び熱中症警戒アラートの運用を開始しています。
特に、熱中症警戒アラートの一段上の熱中症特別警戒アラートの発表された地域において、重大な健康被害が生じるおそれがあることから、自発的な熱中症予防行動を積極的に行ってください。また、家族や周囲の人々においても見守りや声かけ等の共助や、公助を行ってください。
令和7年5月21日(水)には、沖縄県の八重山地方において、今年全国で初めてとなる「熱中症警戒アラート」が発表されています。

また、令和7年度の暑さ指数(WBGT)*及び熱中症特別警戒アラート・熱中症警戒アラートの情報は、「熱中症警戒アラート等のメール配信サービス」、「暑さ指数のメール配信サービス」、「暑さ指数予測値等電子情報提供サービス」、「LINE公式アカウント「環境省」」から無料で受け取ることができますので、積極的にご利用ください。
詳しくは、「熱中症予防情報サイト」をご確認ください。
*暑さ指数:人間の熱バランスに影響の大きい気温、湿度、輻射熱の3つを取り入れた温度の指標であり、熱中症の危険度を判断する数値として、環境省では平成18年から暑さ指数の情報を提供している。
事業者の皆様へ
ビル・オフィス・事業所等において、省エネ改修・設備更新、ZEB*化、クールビズの推進等を行うことは、環境面や経済面に配慮するだけでなく、働き方を快適にすることにもつながります。クールビズについては、職員への呼びかけを行う際の仕組みづくりや、浸透させるための工夫について検討することも重要です。真夏の時期に差し掛かる前に、これらの準備を進めてはいかがでしょうか。
*ZEB:Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称。快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のこと。
まとめ
省エネや節電の取組は、短期的な効果だけでなく、年間を通して健康、経済、環境の面で大きなメリットをもたらします。熱中症のリスクを回避し、快適な生活環境を維持しながら、電気代の削減やCO2排出量の削減にも貢献できます。
今年は本格的な夏季を迎える前に、日常生活や事業活動に取り入れることができる省エネや節電の取組の検討を早めに開始し、実践に向けた準備を進めてみてください。