気温の上昇や大雨の増加、自然災害の増加の発生等、
気候変動は、私たちの生活に様々な影響を与えています。
いま、身の回りでどのような環境の変化が起きているのか。
今後、どのようなことが起きる可能性があるのか。
このサイトでは、私たちのこれからの行動を考える際に参考となる情報を提供します。
身近に起こる変化と対策
気候変動がもたらす影響は様々。
私たちの身近に起こる環境の変化と対策に関する情報をお届けします。
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熱中症リスクが高まる今、
私たちが実践できる
「COOL CHOICE」今年も35℃以上の猛暑日が全国各地で観測され、熱中症など暑さによる体調不良が心配されます。近年、気候変動の影響により、猛暑日が増加し、熱…
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地球温暖化が進むと秋も蚊が活発になる!?
懸念される感染症の脅威とは秋の気配の深まりとともに不快な蚊の姿が少なくなって、ホッとしている人も多いのではないでしょうか。かゆみをもたらすだけでなく、時には様々な…
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秋冬の味覚に危機?
地球温暖化の影響と“地産地消”という選択秋から冬にかけて、サンマやサケなどの水産物やリンゴなどの農産物が旬を迎えています。ところが、地球温暖化の影響もあって、収穫量減少や品質低下が…
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北極海の海氷消滅で地球温暖化が加速化の危機!? 地球全体に与える影響と新たな航路の可能性
地球温暖化の進行によって、南極大陸やグリーンランドなどの氷床や氷河が溶けて海水に流れ込んだり、水温の上昇で海水の体積が膨張したりすることから、…
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地球温暖化で富士山の姿が変わる? 懸念される影響とは
富士山は、日本のシンボルであり、冬場には裾野を広げた山容の上部一帯が雪に覆われた“銀嶺”の姿が、山麓はもとより、遠く東京都内などからも望むことができます。ところが近年、既に地質や植生…
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地球温暖化で桜の開花に異変!? 日本列島でいっせい開花も?
私たちにとって“春の楽しみ”の1つである桜の開花。4月の入学式の頃に満開だったはずの桜(ソメイヨシノ)が、近年、3月の卒業式にはもう満開になっていた、と実感している人も多いはず。…
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気候変動の影響で変わりゆく生活
さらに地球温暖化が進行したらー
気候変動によって私たちの暮らしはどのように影響を受け、どのように変わっていくのでしょうか。
最新の研究に基づく予測から、過去・現在・将来の日本の変化を見ていきましょう。
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気温の上昇
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気温の上昇
過去~現在
100年あたり1.28℃上昇
気象庁の統計によると、日本の年平均気温は、様々な変動を繰り返しながら上昇しており、長期的には100年あたり1.28℃の割合で上昇しています(図表1参照)。特に1990年代以降、高温となる年が増加しています。世界の年平均気温(100年あたり0.72℃)と比べても、日本の年平均気温は高い上昇率となっています。
(出典)気象庁ホームページ
「日本の年平均気温」「世界の年平均気温」将来
21世紀末には最大で約4.5℃上昇
21世紀末(2076~2095年の平均)における日本の年平均気温は、20世紀末(1980~1999年の平均)と比べて上昇する可能性が高いとみられており、最も地球温暖化が進行するRCP8.5シナリオでは約4.5℃上昇、最も地球温暖化が抑制されるRCP2.6シナリオでは約1.4℃上昇と予測されています。気温が上昇すれば、生態系や農作物にも影響するなど、私たちを取り巻く環境や普段の生活にも変化が生じることになります。
RCPシナリオとは、IPCC第5次評価報告書の気候モデル予測で用いられる温室効果ガスの代表的な濃度の仮定(シナリオ)を指す。報告書内では、RCP8.5、6.0、4.5、2.6の4つのシナリオが示されている。
(出典)世界気象機関・国際連合環境計画(翻訳 経済産業省)「気候変動2014 気候変動の緩和 政策決定者向け要約 技術要約」
(出典)文部科学省・気象庁「日本の気候変動2020」
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真夏日、猛暑日の増加
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真夏日、猛暑日の増加
過去~現在
80年間で真夏日1.2倍、猛暑日3.1倍に増加
気象庁の統計によると、全国の真夏日と猛暑日の年間日数は増加しています。真夏日の年間日数をみると、1991~2020年の平均年間日数(約41日)は、1910~1939年の平均年間日数(約35日)と比べて約1.2倍に増加しています(図表2参照)。猛暑日の年間日数をみると、1991~2020年の平均年間日数(約2.5日)は、1910~1939年の平均年間日数(約0.8日)と比べて約3.1倍に増加しています(図表3参照)。
(出典)気象庁ホームページ 「大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化」
将来
21世紀末には最大で真夏日48.6日、猛暑日19.1日増加
最も地球温暖化が進行するRCP8.5シナリオでは、20世紀末(1980~1999年の平均)と比べて、21世紀末(2076~2095年の平均)には、全国平均で真夏日は48.6日、猛暑日は19.1日増加すると予測されています。特に沖縄・奄美では、真夏日は87.8日、猛暑日は54.0日と大幅に増加することが予測されています。真夏日や猛暑日が増加すれば、屋外のスポーツやレジャーを楽しめなくなる可能性が高まるなど、日常のさまざまな行動に制限や影響が生じます。
(出典)気象庁ホームページ 「大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化」
気象庁「地球温暖化予測情報 第9巻」閉じる
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熱中症の増加
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熱中症の増加
過去~現在
2010年以降は年間1000人以上の死亡者数も
厚生労働省の統計をみると、熱中症による死亡者数は増加傾向にあります。1995年~2005年頃の死亡者数は約200~300人で推移していましたが、2010年以降は1000人以上の死亡者数が出ている年もあります(図表4参照)。
(出典)厚生労働省「熱中症による死亡数」
将来
21世紀末には最大12.8倍に増加
現在のように温室効果ガスを排出し続けた場合、21世紀末(2076~2095年)の平均)には熱ストレスによる超過死亡者数(注1)は全国で大幅に増加する可能性があります。20世紀末(1981~2000年の平均)と比べると、最も地球温暖化が進行するRCP8.5シナリオでは4.3~12.8倍、最も地球温暖化が抑制されるRCP2.6シナリオでは1.7~4.1倍に増加すると予測されています。地球温暖化による熱中症の増加は、私たちの生命を脅かすものとなりつつあります。
(出典)気候変動適応情報プラットフォーム「気候変動の観測・予測データ」
(注1)平年の死亡者数から推定される死亡者数よりも多い死亡者数のこと。閉じる
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(短時間)大雨日数の増加
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(短時間)大雨日数の増加
過去~現在
35年間で1.5倍に増加
気象庁の統計によると、全国の1時間降水量50mm以上の年間発生回数は増加傾向にあります。2011~2020年の平均年間発生回数(約334回)は、1976~1985年の平均年間発生回数(約226回)と比べて約1.5倍に増加しています(図表5参照)。
(出典)気象庁ホームページ「大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化」
将来
21世紀末には最大2.3倍に増加
21世紀末(2076~2095 年の平均)における短時間豪雨の日数は、全国平均で増加すると予測されています。1時間降水量50 mm以上の年間発生回数は、20世紀末(1980~1999年の平均)と比べると、最も地球温暖化が進行するシナリオでは約2.3倍増加、最も地球温暖化が抑制されるRCP2.6シナリオでは約1.6倍増加すると予測されています。また、短時間の大雨日数だけでなく、台風への影響も懸念されています。地球温暖化が進行することで、大気中の水蒸気量が増加し、日本付近における台風の強度が強まるという予測が出ています。また世界の平均気温が4℃上昇すると仮定した実験結果などから、日本の南海上では猛烈な台風の存在頻度が増加するという予測も出ています(図表6参照)。短時間の大雨日数や台風の頻度が増えることで、自然災害につながるなど、私たちの日常生活を脅かす可能性があります。
(出典)気象庁「地球温暖化予測情報 第9巻」
気象庁ホームページ「大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化」(注)世界平均気温が4℃上昇した状態において、非常に強い熱帯低気圧の存在頻度が、暖色の領域では現在(1979~2010年)よりも増し、寒色の領域では減ることを示している。
(Yoshida et al. (2017) より転載)(注)世界平均気温が4℃上昇した状態において、非常に強い熱帯低気圧の存在頻度が、暖色の領域では現在(1979~2010年)よりも増し、寒色の領域では減ることを示している。
(Yoshida et al. (2017) より転載)閉じる
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海面水温の上昇
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海面水温の上昇
過去~現在
100年間で1.16℃上昇
気象庁の統計によると、日本近海における、2020年までのおよそ100年間にわたる海域平均海面水温(年平均)の上昇率は、+1.16℃/100年となっています(図表7参照)。この上昇率は、世界全体で平均した海面水温の上昇率(+0.56℃/100年)よりも大きく、日本の気温の上昇率(+1.28℃/100年)と同程度の値になります。
(出典)気象庁ホームページ「海面水温の長期変化傾向(日本近海)」
将来
21世紀末には最大3.6℃上昇
21世紀末(2081~2100年の平均)における日本近海の平均海面水温は、20世紀末(1986~2005年の平均)に比べると、最も地球温暖化が進行するRCP8.5シナリオでは約3.6℃上昇、最も地球温暖化が抑制されるRCP2.6シナリオでは約1.1℃上昇すると予測されています。これは世界平均海水温より高い数値であり、日本近海の平均海面水温は、世界平均よりも大きな割合で上昇すると予測されています。海面水温の上昇は魚介の減少にも影響し、漁獲量の減少によって私たちの食卓にも影響を及ぼす可能性があります。
(出典)文部科学省・気象庁「日本の気候変動2020」
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桜開花の早期化
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桜開花の早期化
過去~現在
10年あたり1.0日の早期化
気象庁の統計によると、1953年以降、さくらの開花日は、10年あたり1.0日の変化率で早くなっています(図表8参照)。さくらの開花日が早まる傾向は、この現象が発生する前の平均気温との相関が高いことから、経年変化の特徴の要因の一つとして長期的な気温上昇の影響が考えられています。
(出典)気象庁「気候変動監視レポート2020」
将来
開花日が早くなる地域と遅くなる地域が発生
現在のように温室効果ガスを排出し続けた場合(注2)、21世紀末(2082~2100年)に、九州南部や太平洋沿岸域で開花日は遅く、東北や日本海側といった標高の高い地域では開花日が早くなると予測されています(図表9参照)。開花が遅くなる地域は、地球温暖化により冬の低温を得られないために、休眠打破(注3)に至る時間が長くなり、開花が遅れます。一方で、開花が早くなる地域では、地球温暖化した冬でも休眠打破に必要な低温を得ることができ、休眠打破後の花芽の成長に必要な気温も地球温暖化により早く得られるため、開花が早まると予測されています。桜開花時期の変化により、地域によってお花見を楽しむ時期が変わってくるかもしれません。
(出典)環境省「STOP THE 温暖化2017」
(注2)IPCC第3次評価報告書によるSRES排出シナリオのA2シナリオを想定。
(注3)冬の間に休眠し、ある程度低温にさらされることで休眠を終えること。(出典)気象庁ホームページ「さくらの開花日の変化」
(出典)気象庁ホームページ「さくらの開花日の変化」
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降雪量の減少
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降雪量の減少
過去~現在
降雪量20cm以上の年間日数が減少
気象庁の統計によると、日本海側では地域ごとに平均した年最深積雪(一冬で最も多く雪が積もった量)には減少傾向にあり、1日の降雪量が20cm以上となった年間日数も各地域で減少しています(図表10参照)。
(出典)気象庁「気候変動監視レポート2020」
将来
21世紀末の降雪量は最大70%程度減少
最も地球温暖化が進行するRCP8.5シナリオでは、21世紀末(2076~2095年平均)における降雪量は、20世紀末(1980~1999年平均)と比べて北海道内陸の一部地域を除き全国的に減少し、全国平均ではいずれも70%程度減少すると予測されています。また、最も地球温暖化が抑制されるRCP2.6シナリオでは、本州以南でのほとんどの地域で減少する(全国平均で30%程度)と予測されています。降雪量が減少すれば、冬の風物詩であるかまくら、またスキーのような冬のスポーツを楽しむことができなくなる可能性もあります。
平均的な降雪量が減少する一方で、10年に一度といった、ごくまれにしか発生しない大雪の降雪量は、地域によっては、むしろ増加するという予測もあります。また、地球温暖化とは別に、ラニーニャ現象の発生により、冬型の気圧配置が強まり大雪となる可能性もあります。【参考】なぜ大雪のリスクは残るのか
地球温暖化と降雪の関係を考える時には、次の3 点を考慮する必要がある。それは、①気温が上昇しても0℃以下であれば雨ではなく雪として降ること、②気温が上がるほど空気中に含まれうる水蒸気の量は増えること、③地球温暖化が進行すると日本海の海面水温も上がるため、寒気の吹き出しの際によりたくさんの水蒸気が大気に供給されること、である。本州の日本海側で大雪が降るのは、強い寒気の吹き出しがあった時や、冬の季節風が大陸側で白頭山などの山を迂回したのち日本海で合流する、「日本海寒帯気団収束帯」が発生した時である。この時、地球温暖化が進行した状況では、よりたくさんの水蒸気が日本海から大気に供給されるとともに(③)、大気もより多くの水蒸気を蓄えることができる(②)。従って、沿岸域など気温が0℃を超えている地域では大雨が降るが、気温が低い内陸部や山地では大雪として降ることになるのである(①)。
(出典)文部科学省・気象庁「日本の気候変動2020」p19(出典)文部科学省・気象庁「日本の気候変動2020」
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私たちにできること
地球温暖化はこれからも進行し、
私たちの生活は今まで以上に気候変動に
脅かされることになるのでしょうか。
その答えは―
私たちのこれからの行動にかかっています。
いつまでも豊かで暮らしやすい日々を送るために、
今日から脱炭素型のライフスタイル、
「ゼロカーボンアクション30」を1つずつ実践していきましょう。
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