FUROSHIKIで“結美人(むすびじん)”になろう!
<第1回:花包み編>おもてなし結美人
第1回:おもてなし結美人(花包み編)
あらゆるかたちのものを自在に包み、かさばらず持ち運びにも便利。古来より日本で愛用されてきた風呂敷は、包装材として繰り返し使える、地球に優しいツールでもあります。
日本人の美意識が育んだ、ほぼ正方形の1枚の布は、包んでよし、飾ってよし、装ってよしの、いろいろ使える万能ツール。ショッピングモールや駅ナカなどにも風呂敷ショップが登場し、デザイン、サイズともにバリエーション豊富な風呂敷が人気を集めています。
第1回目は基本の包み方“花包み”をご紹介。父の日のプレゼントのラッピングや、お出かけの際のランチボックスや重箱を包むのにも重宝します。日本が誇る風呂敷をぜひ生活の中に取り入れてみてくださいね。
日本人ならではの“おもてなしの心”で、地球にも思いやり
風呂敷のルーツは約1300年前にまでさかのぼり、奈良時代に布で宝物を包んだのが始まりだとか。室町時代に入ると湯殿(現在の浴室)の床に布を敷いたことから、“風呂敷”という名がついたといわれています。(諸説あり)
古来より日本人は、“包む”という行為に相手を敬い、思いやる気持ちを込めてきました。大切な人への贈り物だからこそ、相手の喜ぶ顔を思い浮かべて、丁寧に包んで手渡したい。細やかな心づかいは、日本人ならではの美徳、おもてなしの心として受け継がれています。
でも、その一方で、過剰包装によるゴミ増加が問題になっています。ゴミが増えれば、焼却処分量も増え、温室効果ガスであるCO2(二酸化炭素)が多く排出されてしまうのです。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によって、このまま地球温暖化が進むと気候変動を招き、猛烈な台風や豪雨、猛暑が増加する可能性があると報告されています。2100年までには地球の平均気温が最悪4.8℃も上昇。それによって洪水や高潮のリスクが高まり、干ばつなどが発生し、食糧生産に大きな影響を及ぼすと懸念されています。
今、地球環境を守るために何をすればいいか。ゴミを減らすにはどうすればいいか。私たち一人ひとりが考え、取り組むことが求められているのです。
風呂敷ラッピングでCOOLなプレゼント演出を
ゴミ削減への近道は、ゴミとして捨てるものをできるだけ減らし、使えるものは再利用すること。たとえば、空きビンの再利用や、空き缶やペットボトルを資源として再活用することなどがおなじみですね。私たちの暮らしの中に、リサイクルやリユースを積極的に取り入れることで、将来にわたってゴミの量を大幅に減らせます。さらに、包装紙で商品の全面を包装することをやめることで、約100g強のCO2を削減することが可能に。約100gは、夏にエアコンを1時間強使用する場合と同じくらいの量にあたります。(環境省「3R行動見える化ツール」)
繰り返し何度でも使え、変幻自在にいろいろなものを包める風呂敷は最強のラッピングツール。包装紙やボックスなどの代わりに用いれば、ゴミ削減に貢献でき、しかも見栄えが良くおしゃれに決まります。伝統柄やPOPなデザインなど多彩な種類がありますから、贈る相手の個性や用途に合わせて選ぶのも楽しいですね。
風呂敷で華やかにラッピングされたプレゼントは、個性的でスペシャル感が漂います。おしゃれな風呂敷に包まれたプレゼントが目の前に現れれば、贈られる人の顔も自然とほころぶことでしょう。美しい結び目をはらりとほどき、プレゼントがドラマティックに登場すれば、心に残る感動的な瞬間に。大切な人へ贈り物をするときの演出にもおすすめです。
箱形の物を包むのに最適! How to~花包み~
SIMPLE is COOLな風呂敷で地球に優しく
時代の変化とともに、忘れられていた風呂敷ですが、今あらためて、使い勝手の良さや粋なデザインが注目されています。1枚のシンプルな布でありながら、さまざまな用途に使え、現代社会にふさわしいエコロジカルなツールであることなど、たくさんの魅力を備えているからなのでしょう。
政府は、地球温暖化対策のための国民運動「COOL CHOICE(=賢い選択)」を推進しています。身近な暮らしの中で、未来を考えたアクションを選んで実践していくことが、環境問題への対策につながります。使い捨ての包装材の代わりに、繰り返し使える風呂敷を活用することもそのひとつ。未来の地球のために、「COOL CHOICE」にご賛同いただき、できることから始めてみませんか?
◆ご賛同はこちらから
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/join.html
◆COOL CHOICEとは
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/about/