~ 「うちエコ診断」診断会レポート ~
正しいエコ、してますか?
専門家が正しい省エネを教えてくれる「うちエコ診断」とは

COOL CHOICE編集部
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  • 省エネ・節電

正しい知識を持った専門の診断士が、自分の暮らしのエコ度を診断してくれる「うちエコ診断」。皆さんはご存じでしょうか? 今回は、東京で開催された「うちエコ診断」診断会の様子とともに、「うちエコ診断」の活動をご紹介します。

“つもりエコ”では効果が出ない?

「うちエコ診断」がスタートしてから約5年半、約4万世帯もの方々が、この「うちエコ診断」を受け、家庭での省エネルギー対策、地球温暖化対策に取り組んでいます。

「現在、日本では、国を挙げての省エネ、省CO2に取り組んでおり、産業部門、運輸部門などでは一定の成果をあげることができています。しかし、残念ながら家庭部門ではまだまだ削減の余地を残しているといわれています。『うちエコ診断』は、この家庭内での省エネ、省CO2を推進するためにスタートしました」と教えてくれたのは「うちエコ診断」を推進する、一般社団法人地球温暖化防止全国ネット事務局長の川原博満さん。

日比谷図書文化館で開催した「うちエコ診断」診断会では、霞が関周辺に勤務する方などが訪れていた

「うちエコ診断」のポイントは、収集した情報に基づき、専門の診断士がそれぞれの家庭に合わせた、適切で、より効果的なオーダーメイドの温暖化対策を提案してくれること。省エネ対策には「暖房の設定温度を1度下げる」「家電製品を新しいものに買い換える」など、さまざまな“一般論”がありますが、川原さん曰く、「それぞれのご家庭の環境によってはそれが必ずしも効果的ではない」のだとか。

光熱費などの情報をもとに、専用のソフトを使って、各家庭のライフスタイルに合わせた診断を行っていく

「自分では省エネしているつもりがそうなっていない、あるいは逆に大きな無駄を生んでしまっていることがよくあります。我々はこうしたエコを“つもりエコ”と呼んでいます。また、賃貸住宅か持ち家か、一人暮らしか大家族かなどで、効率的なエコのやり方は大きく変わります。『うちエコ診断』は、それぞれのご家庭、ライフスタイルに合わせた適切なエコを専門家が分かりやすく提案する仕組み。診断は全国で実施中です。診断実施機関については、『うちエコ診断』のホームページをご確認ください」<川原さん>

「やってるつもり」の人でも、まだまだ改善の余地があるエコな取り組み

「うちエコ診断」では、まず、相談者が事前に回答したアンケート(事前調査表)を専門の診断士がチェック。その後、面談形式で約30分~1時間、自分たちのライフスタイルにフィットした、効果的で無理のない省エネ対策を一緒に考えていくことになります。

「うちエコ診断」の様子
うちエコ診断士の柘植(つげ)さん

それでは、実際の診断の様子をお伝えします。
昨年12月に東京で開催された「うちエコ診断」診断会に参加されたAさん(40代男性)が、診断を受けた感想を教えてくれました。

「実は、自分なりに調べて効果的なエコを実施しているつもりだったんですよ。賃貸マンション住まいですが、照明器具は白熱電球をできるだけ使わず、蛍光灯電球やLED電球に交換しています。また、夏季は保冷剤入りの枕、冬季は充電式の湯たんぽを使うなどして、できるだけエアコンを使わない暮らしを心掛けています。この夏、自宅バルコニーにはグリーンカーテンを生育していました。ですから、これ以上の節電は生活する上で息苦しくなりそうだと感じていたんです。しかし、診断士の方に、エアコンのプラグがコンセントに差さったままではありませんか?と聞かれ、まさに1年を通して待機電力を無駄遣いしていたことに気付かされました。エアコン用のコンセントって、目線より高い位置にあるので、すっかり見落としていたんです。

浴室のシャワーヘッドも同様です。節水タイプのシャワーヘッドは、湯量が少なく洗い心地が悪くなるんじゃないかと勝手に思い込んでいたのですが、水圧が高いため、洗浄力を損なうことなく節水ができるということを教えていただきました。止水ボタン付きのタイプだと、流しっ放しも防ぐことができ、さらに効果的だと知りました。今日の診断を受けていなければ、ずっと間違った知識のまま、エコした気になっているところでした(笑)。

私と同じように、快適性を損なわずにエコしたいと思っている人は多いと思います。職場の同僚や友人に、『うちエコ診断』を受けることをお勧めしたいですね。」

うちエコ診断士の柘植正躬(つげまさみ)さんによると、診断を受けに来る人は老若男女幅広いそうですが、最近は若い夫婦が目立ってきているとのこと。結婚や出産など、生活が大きく切り変わるタイミングでエコについて見直し始める人が多いのではないかとおっしゃいます。

「省エネは、そのまま、ご家庭の光熱費の削減にもつながります。節水シャワーヘッドへの交換など、数千円の投資で大きな光熱費削減につながる対策もありますから、ぜひとも一度、診断を受けに来ていただきたいですね」<柘植さん>

【診断結果】

「うちエコ診断」診断会に参加されたAさんの結果レポート

■家族構成:20~50歳代(男)×1人、20~50歳代(女)×1人
■住まい:賃貸マンション(鉄筋コンクリート造)/【延べ床面積】 46㎡/【竣工】 2013年/【ガスの種類】 都市ガス/【コンロの熱源】 ガス/【風呂の熱源】 ガス

1ヶ月あたりの光熱費
Aさん 平均 平均比
電気 ¥5,333 ¥9,541 0.6倍
ガス ¥4,758 ¥6,219 0.8倍
灯油 ¥0 ¥218 0.0倍
ガソリン ¥0 ¥1,331 0.0倍
現状分析
年間CO2排出量 平均比較 100世帯中順位
2,115㎏ 0.5倍 7位
診断時に選択した7個の対策
分野 取り組み内容 年CO2増減 年負担額
給湯節水 手元止水型節水シャワーヘッドを設置する -165kg 14,742円お得
部屋冷暖 リビングの暖房の設定温度を控えめにする -52kg 2,732円お得
給湯節水 シャワーを使う時間を1人1日1分短くする -47kg 4,355円お得
部屋冷暖 リビングで暖房をする時間を1時間短くする -43kg 2,276円お得
給湯節水 家族が続けて入り風呂の追い炊きをしない -15kg 869円お得
洗濯乾燥 洗濯機を買い替える -13kg 1,478円お得
部屋冷暖 リビングのエアコンを使用しないシーズンはコンセントからプラグを抜く -12kg 633円お得
選択した対策による効果
年間CO2排出量 平均比較 100世帯中順位 CO2量変化 順位変化
1,798㎏ 0.5倍 4位 317㎏(15%)削減 3位アップ

「うちエコ診断」について詳しくはこちらを御覧ください。
http://ondankataisaku.env.go.jp/decokatsu/uchieco-shindan/

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