専門家が考える「2030年の暮らし」
~シェアが浸透し、当たり前になる時代。
環境を考えた暮らしが欠かせないものに~

矢野 きくの
All About「節約」ガイド:矢野 きくの
  • ライフスタイル

CO2削減に必要なのは暮らしの意識を変えること

2030年度の日本には、温室効果ガスを26%削減(2013年度比)する目標があります。チーム・マイナス6%の頃から見ると、家電や車などは大幅に省エネ化が進みました。これからは、消費者側も個々のライフスタイルの見直しに取り組んでいかないと、26%のCO2削減を実現するのは厳しいのではないでしょうか。

ムダだな、もったいないなと思う部分を減らす。過剰な快適さを求めない……言葉で言うのは簡単でも、実行するのはとても難しいことです。今回のテーマである「シェア」をうまく使って、環境にやさしい暮らしを考えていきましょう。

世代交代で、シェアサービス利用は当たり前に

シェアできるものやサービスの種類は、現時点でもだいぶ出揃ってきています。2030年までに劇的に増えるというよりは、「一般化」に向かうでしょう。その頃にはシェアに積極的な若い層が親になり、世代が変わって、社会的に当たり前の存在として受け入れられているはずです。

特にCO2削減効果の高い交通手段については、カーシェアリングだけでなく、小型で狭い道路を巡れるコミュニティバスなどが、自治体レベルでもっと運用されるといいですね。通常のバスが通らない場所も細かく停留してくれるので、高齢者のお出かけや日常の買い物にも便利です。自家用車を使う機会も減らすことができるでしょう。主婦の方は、家族用の大きいバンでスーパーなどに行っていませんか?大型車にひとりで乗るのは燃費がもったいないと意識して、こうしたバスもぜひ利用してほしいと思います。

憧れていたモノに手が届く楽しみも生まれる

時間やスキルをシェアする代行サービスも、一般化して発展しそうです。ネットスーパーで買い物をしたり、掃除、犬の散歩、運転などの代行は忙しい方や高齢者にはうれしいサービス。専用の掃除用具なども不要になるので、必要以上のモノを持たず、ゆとりのある暮らしが実現できるでしょう。

また、贅沢を楽しむシェアも今以上に増えるのではないでしょうか。例えば憧れの別荘だったり、時計やバッグ、アクセサリーなどの高級品ですね。以前なら、それを買うためにがんばって働いたようなモノを気軽にシェアし、自分を素敵に演出したり、人生を豊かに楽しむ。価値観やライフスタイルも変わってくるかもしれません

小さなコミュニティでシェアできる社会に

これから広がってほしいのは、町内会やマンションなど小さなコミュニティ単位でのシェアです。例えば高圧洗浄機など、年に数回しか使わないけれど、あったらいいな!というアイテムは、住民で共有すればコストも安く便利だと思いますね。昔からご近所の貸し借りなどはよくありましたが、その仕組みを今風にアレンジすれば、住民同士の絆も強くなるでしょう。地域のニーズに合わせて道具を選び、レンタルセットなどを提供する業者も出てくるのでは。

上手にシェアを使えば、不要なモノを減らすことでゴミ処理の省エネができ、収納の悩みが減るなどいくつものメリットがあります。モノを買おうとする前に、ムダではないか、今あるものやシェアで代用できないか、一度立ち止まって考える習慣をつけましょう。お財布にも環境にもやさしい暮らしを送ってほしいと思います。

「COOL CHOICE(=賢い選択)」にご賛同ください。

「COOL CHOICE」は、CO2などの温室効果ガスの排出量削減のために、低炭素型の製品・サービス・ライフスタイルを賢く選択していこうという取り組みです。未来の地球のために、「COOL CHOICE」に賛同して、できることから始めてみませんか?

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◆COOL CHOICEとは
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この記事を書いた人

矢野 きくの
All About「節約」ガイド:矢野 きくの

家事アドバイザー・節約アドバイザー。女性専門のキャリアコンサルタントを経て女性が働く為には家事からの改革が必要と考えて現職に。家事の効率化、家庭の省エネなどの話題を中心に、テレビ、新聞、雑誌や、講演会にて活躍中。便利グッズの開発にも携わる。