地球温暖化対策にもつながる
楽しくおいしいベランダ菜園

畠山 潤子
All About「ガーデニング」ガイド:畠山 潤子
  • ライフスタイル

植物を育てる楽しさは想像以上!

生活の中に植物があると、眺めているだけで楽しいものです。さらに自分の手で育てれば、土に触れたり、香りをかぐことでもリラクゼーションできます。

特に家庭菜園は、収穫の喜びがあり、農薬の心配もなく味わうことができる、究極の贅沢ではないでしょうか。庭のないマンションでも大丈夫!ベランダで鉢やプランターひとつから始められますので、ぜひトライしてみてください。

ベランダで野菜やハーブを作ってみよう

ベランダ菜園で必要なものは、野菜やハーブの種(または苗)と、鉢、シャベル、培養土などです。道具は100円ショップでも手に入るので、手軽に始められます。市販の種は、ラベルに簡単な育て方が書かれていることが多いです。それを参考にして植え付けをしましょう。

【ベランダ菜園のコツ】
■ 日当たりが重要。手すりで陰になるところは鉢台などを使う。
■ 夏に西日が強い場所は、遮光ネットで乾燥や葉焼けを防ぐ。
■ ベランダの耐荷重に注意し、避難経路をふさがない。
■ ツルが広がる植物は、洗濯物干場などの動線を妨げやすいので、植える場所を調整する。

基本的な育て方は、発芽までは土を乾かさないようにして、発芽後は土が乾いたらしっかり水をやります。鉢の大きさに合わせて、適度に間引きしてください。ビギナーには、葉野菜の中でも育てやすい小松菜や、ひと月ほどで収穫できるラディッシュがオススメ。初夏の植え付けなら、定番のミニトマトとバジルの組み合わせがいいと思いますね。

日差しが和らぐ秋は、菜園作りにぴったり

秋は春と同じように、家庭菜園に適したシーズンです。病気や虫による被害が少なく、夏のようにカラカラに干からびるという失敗もありません。体力的にも作業がラクになりますが、秋特有の台風や強風、長雨などには注意が必要です。

この時期にオススメの作物は、鍋料理に重宝する春菊やホウレンソウといった葉物野菜。プランターで作れるミニ人参やミニ大根もいいですね。フレッシュな香りが楽しめるハーブも秋に植えるものが多く、イチゴやブルーベリーなどのベリー類も植え付けの適期です。

【野菜の若い葉を食べる「ベビーリーフ」】
1 リーフレタスや水菜、ルッコラなど葉物野菜の種を、湿らせた土にまんべんなく「ばらまき」する。
2 発芽まで土を乾かさないよう、半日陰に置く。
3 密集しているところは間引きする。
4 間引いた葉も料理に使える。育ったものを少しずつ摘みながらサラダなどに。

【丈夫で育てやすいハーブ「コモンタイム」】
1 種でも苗でも育つ。苗を植えて、ある程度茎が伸びたら横に倒し、茎の中間あたりを土に埋める。
2 埋めたところから根が生えてくる。切り離せば新しい株になって、簡単に増やすことができる。
3 葉を摘んで肉や魚の臭み取りに使ったり、ジャガイモと相性がいいのでコロッケやポテトサラダなどに。

ベランダ菜園は、地球環境を考える第一歩に

植物を育てていると、毎日その成長を確かめずにはいられません。早起きになり、天気予報をチェックし、家族との会話が増えるなど、暮らしにも変化があるでしょう。野菜くずを堆肥にしてゴミを減らすといった、環境問題への意識も高まると思います。

実際に植物は、地球温暖化対策やCO2削減の手段として、家庭から世界規模まで広い分野で注目されています。ご自宅でゴーヤやヘチマ、パッションフルーツなどを栽培して、グリーンカーテンを作っている方も多いでしょう。実の収穫を楽しめる上に、日差しをカットして室温の上昇を防ぐ効果があるので、ぜひお試しください。

【植物によるエコ活動の例】
■グリーンカーテンで冷房の使用を減らす。
■屋上・壁面緑化の普及で、地球温暖化を防ぐ。
■過酷な環境に強い植物を研究し、砂漠に緑を蘇らせる。
■農作物を外国から輸入すると、船や飛行機などの輸送によるエネルギーがかかるので、できるだけ地産地消する。 など

各地で記録的な大雨が降ったりと、ここ数年「気候が変だ」と感じることが増えました。緑豊かな環境は気候変動などで簡単に失われてしまい、取り戻すには長い年月がかかります。
我が家のベランダ菜園のひと鉢から、花や緑に関心を持つことで自然への視野は広がります。自分が食べる野菜を育て、緑を増やす。まずは、家庭での身近な一歩から始めることが大切ではないでしょうか。

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この記事を書いた人

畠山 潤子
All About「ガーデニング」ガイド:畠山 潤子

花と緑のある暮らしを楽しむ、ガーデニングライフのプロパゲーター。花好きな母のもと、幼少より花と緑に親しむ。1997年より、本格的にガーデニングをはじめる。ガーデニングの素晴らしさを多くの人に知ってもらいたいとの思いで、ガーデンライフアドバイザーとして記事執筆や監修、講習会の講師などの活動を行う。