子供に教えながら大人も学ぶ。
いま知っておきたい「食育」のこと
食を考えることは、社会を考えることにもつながる
食は、人が生きる上で欠かせないもの。私たち大人が正しい知識を持って、子供たちに食育することが大切です。おいしさや健康面だけでなく、社会全体を考えるきっかけにもなるでしょう。
例えば、もし世界で気候変動や紛争が起これば、輸入食材の産地は大きな影響を受けて、日本の食卓にのぼる食材も変化するでしょう。新聞やインターネットなどで、広い視野で情報をキャッチしながら、子供と一緒に改めて食を考えてみませんか?
<買う食育>食材を買うとき、見るべきポイントは?
食材を買うとき、つい「安い」だけで選んでいませんか?どこで・いつ・どのように生産され、どう届くかということも知って選択肢を増やし、賢く選んでほしいと思います。具体的には「旬の時期」「産地」「消費期限・賞味期限」などをチェックしてみてください。
■旬の時期:出回る量が安定するので安価でおいしく、栄養価が高く、新鮮なものが手に入りやすい。旬のものは、暖房で育てるなど不要なエネルギーを使わずに栽培できる。
■産地:食材は、届くまでの輸送距離(フードマイレージ)が長いほどCO2が多く排出されるので、地産地消のメリットも知っておく。
■消費期限:安全に食べられる期限のこと。すぐに使う食材は期限が短いもの、少しずつ使うなら長いものを選ぶ。
■賞味期限:おいしく食べられる期限のことで、過ぎてしまってもすぐに食べられなくなるわけではない。2つの期限の違いを知って買い物をすると、家計に優しく、結果的に小売店での食品廃棄を防ぐことにもつながる。 など
価格や産地の情報は、スマホ・PCを使って、買い物の前にネットチラシなどで確認できます。子供と一緒に店舗に行くときは、食材をかごに入れるお手伝いなどで興味を持たせるといいでしょう。
<作る食育>料理を通じて、たくさんの能力を伸ばす
子供と一緒に料理をするのは、食への興味を持たせる絶好の機会です。食材に熱を加えて色や香りが変わる様子は、まるで理科の実験のよう。作る段取りを考えたり、できあがりを想像したり、食材をアレンジして創作料理をすることで、コミュニケーション能力や集中力、創造力なども身につきます。また、好き嫌いをなくすチャンスになるかもしれません。
【好き嫌いをなくすコツ】
■食材を見たり、触ったり、育てて収穫するなど、体験や接触機会を増やす。
■同じ食材でも、いろいろな調理法で作る。
■「なぜ嫌いなの?」と聞き、原因を知って対策する。食感がイヤならみじん切りにしたりと、食べやすくなる工夫をする。
など
簡単なことを手伝ってもらいながら、食材の知識や調理法などを教えていきましょう。日本では、食べられるのに捨ててしまう「食品ロス」が非常に多く、国連が各国に食糧援助している量の約2倍にもなっています。家庭でも食材を大切に使って、食品ロスや生ゴミを減らす工夫を習慣づけてください。ゴミの処分にはエネルギーが必要なので、家庭の生ゴミ減量はCO2を減らすことにもつながります。
【家庭でできるゴミ減量法】
■食材は本当に食べられない部分だけ取り除き、まるごと使うようにする。
■生ゴミを捨てるときは充分に水を切り、重量を減らす。
■自治体によっては、生ゴミを堆肥に変えるコンポストを設置すると、補助金が出ることも。 など
<食べる食育>家族で食卓を囲み、広い視野で食育を
家族で会話をしながら食べるのは、とても大切なコミュニケーションの時間。親子の信頼感がアップして、子供の心の安定や人間形成に役立ちます。
ただ食べるだけでなく、社会にも目を向けると、食との深い関わりが見えてきます。中でも地球温暖化の影響は大きいです。食べ切れる量を盛りつけて食品ロスをなくすなど、家庭でできるCO2削減をひとりひとりが実践してほしいと思います。
【地球温暖化の影響例】
■気温や海水温の上昇の影響で気候が変化し、農作物や魚介類を収穫できる地域が変化する。
■今までにない大雨などの異常気象が起こりやすくなり、生産地が打撃を受けると価格も上がってしまう。 など
食卓では「いただきます」「ご馳走さま」を心から言える食生活を送っていますか?「ご馳走」とは文字通り、1回の食事のために走り回り、苦労して食材を集めること。いろいろな場所から、多くの人の努力によって届けられる食材のありがたみに思いを馳せて、感謝の気持ちを持ちながら、おいしく楽しく食べて食を学んでいきましょう。
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「COOL CHOICE」は、CO2などの温室効果ガスの排出量削減のために、低炭素型の製品・サービス・ライフスタイルを賢く選択していこうという取り組みです。未来の地球のために、「COOL CHOICE」に賛同して、できることから始めてみませんか?
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