家電製品アドバイザー・奈津子さんが教える、“失敗しない”省エネ家電の選び方【エアコン編】

COOL CHOICE編集部
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今回は、女優として活躍するかたわら、一般財団法人 家電製品協会の「スマートマスター」の資格を取得し、「スマートマスターアンバサダー」として活動中の奈津子さんに、“失敗しない”エアコンの選び方を伺いました。

家電製品アドバイザー・奈津子さん

エアコン、買換えのベストタイミングは?

エアコンの寿命は一般的に10〜13年と言われています。メーカーのパーツ保存期間が製造終了から9年間(エアコンの場合)と定められていることを考えると、「COOL CHOICE」の「5つ星家電買換えキャンペーン」でも推奨しているよう、購入後10年経過したあたりで買換えを検討し始めてほしいですね。

まだ10年経っていないのにエアコンの調子が悪いなと思った方は、室内機のフィルターが目詰まりを起こしていないか、室外機が直射日光に晒されていたり、ファンが塞がれていたりしないかなどを確認してみましょう。たとえば、私が聞いた話だと、室外機の前に子ども用のプールが置きっぱなしになっており、ファンを塞いでしまっていたということがありました。このような状態になっているエアコンは冷暖房能力が下がり、結果として電気代も高くなってしまいます。

家電製品アドバイザー・奈津子さん

そのような問題がないにも関わらずエアコンの調子が悪くなってきたのであれば、それが買換えのサインです。設置に業者さんの力を借りなければならないエアコンは、壊れてから買換えたのでは間に合いません。特にお子さんやお年寄りがいるご家庭ではエアコンの故障が死活問題にもなりますから、手遅れになる前に、前倒しで買換えるようにするべきです。

お部屋とぴったり同じ適用畳数のエアコンを買ってはいけない?

部屋の熱負荷(外気負荷/太陽輻射/温度差による熱伝導/室内で発生する熱)に対して、エアコンの能力が不足していると、エアコンは効率良く能力を発揮できず、電気代が余計にかかってしまいます。最も効率的な製品を選ぶためには、カタログや売り場に掲示されている「統一省エネラベル」や、経済産業省資源エネルギー庁の「省エネ性能カタログ」を参照してください。「省エネ基準達成率」や「通年エネルギー消費効率(APF)」で、その製品の省エネ性能を確認できます。なお、APFとは、「1年間で必要な冷暖房能力の総和」を「期間消費電力量」で割った数値。数字が大きいものほど消費電力量が少なく、省エネ性能が優れていることを示しています。

統一省エネラベルの一例

そして、その上で、適切な「適用畳数」の製品を選ぶことが大事。エアコンは適用畳数の大きなものほど高価なので、ついギリギリの性能のものを選んでしまいがちですが、実際に適切な数値は、現実の部屋の広さとは異なります。具体的には、南向きの日当たりの良い部屋は室内の温度が上がりやすいため実際の広さよりも+2畳分広い部屋向きのエアコンを、キッチンがある部屋はガスコンロや換気扇の影響があるので+4畳分広い部屋向きのエアコンを選ぶべきだと言われています。なお、適用畳数は断熱性能に優れた鉄筋住宅と、熱の逃げやすい木造住宅では数値が異なるので注意してください。

ちょっとした工夫でもっと涼しく、暖かくできる

「COOL CHOICE」のアクションである「COOL BIZ」では、夏季の冷房使用時の室温を28℃目安に、また「WARM BIZ」では冬期の暖房使用時の室温を20℃目安に過ごすライフスタイルを推奨しています。さらにここから、冷房時の室温を1度高くすると約13%の消費電力削減となり、暖房時の室温を1度低くすると約10%の消費電力削減となります。その際、サーキュレーターや扇風機を使って、室内の空気を循環させてみましょう。暖かい空気が足下に廻ることで冬場の寒さが和らぐなど、思った以上に心地よく感じるはずです。サーキュレーターの消費電力はエアコンと比べて微々たるものですから、エコの観点からもおすすめですよ。

家電製品アドバイザー・奈津子さん

また、部屋のカーテンを断熱性能に優れたものに交換するのも、冷暖房効率を上げるコツ。我が家もちょっと奮発して高性能な断熱カーテンを導入したのですが、冬場のスースー感が減り、夏場もクーラーの冷気が逃げにくくなりました。もちろん、断熱性能の高いお家に住むことが最も効果的なのですが、こうしたちょっとした工夫でも、お部屋の冷暖房効率を高めることができます。

そして、さらに我が家ではエアコンを自宅の外から、スマートフォンなどで遠隔操作できるようにしてくれるスマートリモコン機器を導入。家に到着する少し前に、外からエアコンの電源を入れられるようにすることで、消費電力が大きな急速冷房、急速暖房機能を使わずに、帰宅してすぐ快適に過ごせるようにしています。

エアコンの最新トレンド機能はセンサー&気流制御

最新エアコンの注目機能はズバリ「センサー」と「気流制御」。センサーで部屋の中にいる人の場所や運動量までを把握し、気流制御で適切に冷風/温風を送り出します。こうした製品が特に威力を発揮するのは、お子さんやお年寄りがいるご家庭。活動量が多く体温の高い子どもと、急激な体温の変化に弱いお年寄り、同じ部屋にいても、それぞれに最適な温度の風を送り届けてくれるので安心です。ユーザーの側で温度を上げたり、下げたりする必要もなくなるため、結果として消費電力も大きく減ります。

冷蔵庫の情報を入力

その上で、消費電力を減らす工夫としてこまめな清掃が挙げられます。「COOL CHOICE」では、2週間に1度、こまめにフィルターの清掃をすることを奨励しており、それによって年間863円の省エネが実現できる(※1)としていますが、実際問題、忙しい人にはかなり難しい話ですよね。そんな方にはフィルターの「自動清掃」機能を備えたエアコンも検討する価値があるでしょう。また、フィルターだけでなく、熱交換器やファンなどの内部機器清掃にも対応するモデルなら、業者に頼むと1回あたり1万円程度かかる清掃(※2)も自動でやってくれますから、費用的にもさらにおトクです。

(※1)フィルターが目詰まりしているエアコン(2.2kW、6畳用モデル)とフィルターを清掃したエアコンで比較。
(※2)エアコン1台あたりの室内機清掃にかかる費用の一例(※業者によって異なる)。

こうした製品は少々割高なのですが、長い目で見れば電気代も下がりますし、何よりエアコンは体調にダイレクトに作用する家電ですので、できるだけ良いものを選んでほしいですね。健康のほか、美容という面でも効果大、ですよ!

(プロフィール)

奈津子 元SDN48メンバー。劇場がある秋葉原へ通ううちに家電の魅力に惹かれる。
同グループ卒業後は「家電製品アドバイザー」を取得し、家電女優として様々なメディアへ出演。
現在はテレビ番組やラジオ番組にレギュラー出演中。私生活では昨年末に結婚をし働く妻としても活動の幅を広げている。

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