独自の「冷やし文化」が発達!(山形市)

北日本の東北地方は涼しいイメージがありますが、山形県の県庁所在地・山形市は「あついまち」。四方をほぼ山で囲まれた盆地で、もともとあたたかい空気がたまりやすい地形です。また、フェーン現象(湿った空気が山を越える際に雲や雨となり、山を吹き降りる際には高温の乾いた風となることで、局地的な空気の乾燥や気温の上昇をもたらす現象)の影響で、1933年7月25日には40.8℃という当時の国内最高気温を記録しました。この記録は、なんと74年間も破られることがなかった大記録!

長らく「日本で最もあついまち」の称号を得てきた山形市は、昔から暑い夏を乗り切る工夫が考えられてきた歴史があり、独自の「冷やし文化」が発達してきました。例えば、全国でも指折りの消費量を誇るラーメン。古くからそばどころである山形では、冷たいそばは夏の定番でした。「冷たいそばがあるなら、ラーメンも」という声があがり、氷が浮いた冷たいスープに冷たい麺が入った「冷やしラーメン」が誕生。斬新なメニューとして口コミで広がり、山形名物として有名になりました。地元の方にも旅行者にも人気のメニューとして定着し、山形ならではの冷やし文化といえます。また、夏限定ご当地冷やしアイテムとして、「冷やしシャンプー」や「冷やしシェービング」も知られています。県内約400のサロンでは、清涼感のある「冷やしシャンプー」を冷蔵庫や氷などで冷やして、提供しています。

山形市発祥の氷が入った冷たい「冷やしラーメン」
「冷やしシャンプー」実施を告知するポスター
元祖!?山形市役所職員のクールビズ

山形市役所では、クールビズ開始以前の2004年度から、夏季の電力消費を抑えるため「エコ・サマーアクション」として、「室内温度28℃」「終業時のブラインドやカーテンによる日光の遮断」「ネクタイを外したさわやかな服装での執務」の取組を行ってきました。服装に関しては、山形ご当地チームのモンテディオ山形(サッカー)、パスラボ山形ワイヴァンズ(バスケットボール)のTシャツやレプリカユニフォームもOK。また、山形市のお宝広報大使「はながたベニちゃん」のPRと山形市のイベントPRのために作成したTシャツも、軽装のひとつとして認められています。職員のクールビズを通して、ご当地チームやイベントのPRも同時に行っているのです。

「エコ・サマーアクション」の結果、2010年度からの6年間で電気使用量の総量は32%程度削減されています!

出典:山形市

このように、山形市では独自の「冷やし文化」や、市役所を中心としたクールビズの取組により夏を乗り切っています。「『あついまち』のクールビズ・クールシェアに見習う!」第2弾では、最高気温40.9℃の第2位の記録を持ち、首都圏のあついまちとして知られる熊谷市について紹介します。

山形名物・芋煮会のTシャツを着た職員も!