「あついまち」として知られている地域のクールビズ・クールシェアに見習うシリーズ第3弾は、高知県四万十市。市の中心を清流として知られる四万十川が流れ、雄大な自然と、その自然が育む海・山・川の幸が四季それぞれに楽しめます。四万十市では、西土佐地域の江川崎で、2013年8月12日に観測史上最高気温の41℃を記録。江川崎は内陸部にあり、太平洋からの海風が入りにくいことに加え、フェーン現象(湿った空気が山を越える際に雲や雨となり、山を吹き降りる際には高温の乾いた風となることで、局地的な空気の乾燥や気温の上昇をもたらす現象)の影響を受けやすい地形的特性を有しており、高知県内では以前から「高温になりやすい地域」として知られています。
現在もこの記録は破られておらず、「日本で最もあついまち」となった四万十市では、記録達成の年と同じ2013年に「地球温暖化防止実行計画(第2次)」を策定。クールビズの実施や、市がゴーヤのグリーンカーテンを推奨し、関係庁舎や保育園などで栽培され、室内の温度上昇をおさえています。
また、四万十市ならではの自然資源を活用した、涼しさを感じることができるアクティビティも盛んです。中流から下流にかけて、緩やかな流れになる四万十川では、初心者でもカヌーを楽しむことができ、水面では暑さが軽減されるため、快適に過ごすことができます。さらに、四万十川ならではの光景である「沈下橋」(増水時に水の中へ沈み、流木などが引っかからないように作られた、欄干のない橋)から川に飛び込んで、スリルを感じながら涼をとることも!また、四万十川には、周辺に木陰も多く、天然の「涼」を感じられるスポットがたくさんあります。
四万十川の支流は、澄んだ冷たい水が流れているので、鮎などが観察できる清流ならではのシュノーケリングなどの川遊びも楽しめ、観光客や地元の子どもたちが集まって、天然の「涼」を感じながら楽しんでいます。
41℃を記録した西土佐地域では、記録達成後に暑さを武器として地域を盛り上げようと、西土佐商工会が中心となり、「41.0℃プロジェクト(よんいちプロジェクト)」をスタート。四万十市特産の「うなぎ」をモデルにしたキャラクターを全国から公募し、「しまッチ」が誕生しました。関連のおみやげ品もあるようです。また、江川崎にある産直市場「西土佐ふるさと市」では、「41.0℃プロジェクト(よんいちプロジェクト)」に因んでかき氷を41円で提供。冷たいかき氷で体の内側から冷やし、暑さを乗り切ろうと、期間中の来場数は例年の約4倍、6日間で約3,000杯が販売されました。記録達成日の8月12日には、「41度ビアガーデン」を実施し、地元の人や観光で訪れた人が楽しみながら涼める場所として人気を呼んでいます。また、江川崎アメダス観測所では、日本一の暑さが観測されたことを示す看板や、地域の人たちが手づくりで作った顔出し看板の設置など、地域の皆さんが一体となって取り組んでいます。