気候変動COP30@ブラジル・ベレン 結果概要
~交渉の結果と日本の取組発信~(1/2)
2025年11月10日から11月22日に、国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)が、ブラジルのベレンで開催されました。
今や、気候変動COPは世界最大規模の国際会議であり、世界中の気候変動対策に関する政策方針に多大な影響を与える存在となっています。日本からは、石原宏高環境大臣をはじめ、環境省、経済産業省、外務省などの関係省庁が、気候変動に関わる様々な議題の交渉に臨みました。
また「ジャパン・パビリオン」を現地会場とオンラインに設置し、展示やセミナーを通じて、日本の気候変動に関する取組と関連技術を世界に向けて発信しました。
本記事では、COP30を総括的に振り返り、会議の概要についてご紹介します。
COP30での交渉
COP30では各国が交渉した結果、①パリ協定10周年を踏まえた緩和の取組の進展、②交渉から実施への移行、③実施・連帯・国際協力の加速を柱とした、包括的な内容を含む「グローバル・ムチラオ(※)決定」や、世界全体での適応に関する目標に関する決定等が採択されました。
そして、これらを「ベレン・ポリティカル・パッケージ」と総称することとなりました。
※ムチラオ(Mutirão):ブラジルの現地の言葉で共同作業、協働、共に働くの意
出典: 国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)結果概要(環境省)
それぞれの項目ごとの決定事項は、以下のとおりです。
グローバル・ムチラオ決定
グローバル・ムチラオ決定は、前述の①から③の三点を柱とした分野横断的な決定となっており、緩和、気候資金、気候変動に関する一方的な貿易制限的措置の3つの要素から成り立っています。
個別議題の決定
- 緩和作業計画(MWP)
- 現行は2026年までとなっているMWPの継続について、書面意見(サブミッション)を招請することが決定。 第64回補助機関会合(SB64)でも引き続き議論される。
- 適応に関する世界目標(GGA)
- 適応分野の進捗を測定するための指標リスト採択は完全な合意には至らず、今次会合の結果をベースに翌年も継続検討することを決定。今後の指標運用に向けた技術的課題を検討する2か年の「適応に関するベレン–アディスビジョン」の立上げが決定。
- グローバル・ストックテイク(GST)
- GSTの成果の実施に関するUAE対話を2026年と2027年に実施することが決定。第2回GSTにおいて、IPCCがGSTに重要な知見であることを確認するとともに、利用可能な最良の科学の情報提供を推奨することが決定。
- 公正な移行作業計画(JTWP)
- 温室効果ガス排出量削減を含む気温上昇を1.5℃に抑える取組と公正な移行の経路の追求との関連性が強調された。また、パリ協定に関連する要素、機関等を整理すること、国際協力に関する技術支援、能力構築及び知識共有を強化するための「公正な移行メカニズム」について検討を進めることなどが決定。
- その他
- 資金、透明性、対応措置、技術メカニズム、ジェンダー、キャパシティ・ビルディング、気候エンパワーメントのための行動、技術移転、事務局事項等の幅広い交渉議題等について、マンデートイベントの開催や議論が行われ、決定等が採択。
COP30の全体スケジュール
COP30は、以下のようなスケジュールで開催されました。開幕前には首脳級会合が行われ、会期中は、第1週に交渉官級(事務方)による議論、第2週には、閣僚級会議が実施されました。
石原環境大臣のCOP30での活動
石原環境大臣は日本政府の交渉団長として参加しました。ナショナルステートメントでは、1.5度目標を達成するために、国際社会が団結することの重要性を訴えたほか、閣僚級の交渉会合に参加し、議論に貢献しました。また、EU、英国、オーストラリア等と環境・気候変動分野に関する二国間協議を行ったほか、グテーレス国連事務総長とも会議を実施しました。
出典: 国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)結果概要(環境省)
出典: 国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)結果概要(環境省)