これが、私のCOOL CHOICE<第1回:篠原風鈴本舗>
風鈴職人は、キュウリを食べて夏を乗り切る!
<第1回:篠原風鈴本舗>風鈴職人は、キュウリを食べて夏を乗り切る!
夏を代表する風物詩のひとつ、風鈴。江戸川区にある「篠原風鈴本舗」では、江戸時代の製法そのままの風鈴作りを行っています。窯の前で一日中行うガラスを吹く作業は、酷暑の時期も同様。その過酷な環境を乗り切るために、代々キュウリを食べて暑さをしのいできたといいます。
代々受け継がれてきた、エアコンを使わなくても暑さをしのぐ方法
お話を伺ったのは、篠原風鈴本舗の取締役・篠原惠美さん。風鈴の絵付けを担当し、職人さんたちの健康管理にも気配りを欠かしません。暑さをしのぐために積極的にキュウリを食べているとのことですが、どのようにしているのでしょうか。
「キュウリを食べる習慣は、代々受け継がれてきました。毎年5月あたりから、昼食や夕食で積極的に食べるようにしています。塩もみをして、甘酢に漬けたものが定番。この一品があるだけで、清涼感が得られるような気がします。繁忙期の夏は、お弁当で済ませることが多いのですが、キュウリには体を冷やす効果があるともいいますから、プラスするようにしています」(篠原さん)
窯からの熱と外気熱で非常に蒸し暑い作業場。開口部を大きく取っており、風通しのいい造りになっていますが、それでも窯の前は50~60℃になることもあるそうです。エアコンを使用できない理由は、窯の温度が上がらなくなってしまうから。ガラスを十分に熱することができず、加工できなくなってしまいます。
「特に夏場の体調管理は常に意識しています。キュウリもそうですし、水分摂取も怠らないようにしています」(篠原さん)。
ひとつとして同じ音色はない、江戸風鈴の秘密
夏の風物詩である風鈴の音色。篠原さんによれば、もともと風鈴は“魔除け”や“縁起物”であったといいます。
「風鈴の伝統的な絵柄には、真っ赤な地色に小判や椿を描いたものがあります。小判は金運、椿は長寿の象徴です。それが涼を呼ぶ夏の風物詩とされるようになったのは、風鈴が鳴るということは風があるということ。風を意識することで“ああ、涼しいな”と感じる、そんな理由からといわれていますね」(篠原さん)
現在では、ガラスを型にはめて作る安価な風鈴が多く出回っており、篠原風鈴本舗のように、江戸時代の伝統的な製法で風鈴を作っているところはほとんどないそうです。「江戸風鈴」の名は、5世・篠原儀治さんが、より多くの人に伝統的な風鈴を知って欲しいとの思いから、昭和30年代の末に名付け、ブランド化しました。
「江戸風鈴は、熱したガラスに息を吹き込んで膨らませる『宙吹き(ちゅうぶき)』を採用しています。また、フチの部分をギザギザに仕上げるのも特徴です。ひとつとして同じ音色がありませんので、風鈴をいくつか鳴らしてみて、音色でも選んでみてください」(篠原さん)
江戸時代には、シノブというシダを這わせた「つりしのぶ」の下に風鈴をつけ、涼感を楽しんでいたといいます。軒下の風鈴が鳴れば、風が吹いている証。時には昔の人にならって窓を開け、部屋を抜ける風に涼を感じるのもいいかもしれません。
50℃以上にもなる窯の前での作業という過酷な環境の中、キュウリを積極的に食べて、体の中から暑さを和らげながら風鈴作りに取り組む職人さん。涼を呼ぶ音色を代々生み出し続ける力の源は、食にまつわる先人の知恵や工夫にあるのかもしれません。 皆さんも、キュウリをはじめとする夏野菜を積極的に取り入れてみませんか。「この夏、実践したい夏野菜クッキング」の第1回では、夏野菜をメインに使った料理を紹介しています。体の中から暑さを和らげて、夏の体調管理に役立ててください。
<第1回:夏野菜を知る>体のなかから涼しくなれる「夏野菜のマリネ カレー風味」
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/topics/20160609-01.html
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