夏を涼しく、楽しく過ごすヒントを、アツいまちから学ぼう!
「アツいまちの涼活」レポート〜熊谷・山形編〜

2018年の夏は、埼玉県熊谷市で41.1℃を記録し、5年ぶりに国内の観測史上最高気温を更新。さらに全国の各観測地点でも史上最高気温を更新するなど、記録的な猛暑となりました。日本全国、どこでも厳しい暑さとなりましたが、中でも日本有数の「アツいまち」として知られる地域は、どのように夏を乗り切る工夫をしているのでしょうか?その工夫や知恵に学ぼうと、日本有数の「アツいまち」である埼玉県熊谷市、山形県山形市、高知県四万十市、岐阜県多治見市の4市がタッグを組んだ「アツいまちサミット」の取組について紹介します。
「アツいまちならではの、住みやすいまちづくり」について考える「アツいまちサミット」は、今年で5回目。6月に渋谷で開催され、そこで決まった今年の活動テーマは「朝の涼活」。比較的涼しい時間帯である朝に、それぞれの地域ならではの涼を感じられる活動を展開しました。地域の特徴を活かしながら、夏を涼しく過ごすヒントが詰まった4市の活動の様子を2回に渡ってレポートします!


埼玉県熊谷市「おはようどんツアー」

暑さ全国1位を更新!
日本一アツいまち熊谷

7月23日に、これまでの観測史上最高気温を上回る41.1℃を記録した埼玉県熊谷市は、東京都心から約50キロほどで、関東平野の奥まった北側に位置します。ラグビーの街としても知られる熊谷市は、利根川や荒川の水に恵まれている肥沃な土地で、冬でも雪が少ないという気候を活かして、古くから稲作と麦作の二毛作が盛んです。特に小麦は日本有数の産地で、実は埼玉県はうどん生産量が香川県に次いで第2位なのです!熊谷から埼玉県を「うどん県」にしようとアピールすべく、熊谷産小麦を50%以上使用し、熊谷で製粉・製麺された地産地消のうどんを「熊谷うどん」としてブランド化。今回の涼活では、この特産品である「熊谷うどん」を、早朝に食べて1日を涼しくスタートすることを提案する活動を、7月8日と8月19日の2回行いました。
まず7時45分に熊谷駅に集合。熊谷産小麦100%を使ったうどんを提供する「熊たまや」にて、今回のイベントのために考案された「おはよううどん」をいただきました。「おはよううどん」は、冷たく締められたプリプリのうどんの上に、サッパリした大根おろしと“おはよう”の太陽をイメージした卵黄を乗せた、冷やしぶっかけうどん。炭水化物が主成分のうどん、消化を促進する酵素が豊富な大根、糖質をエネルギーに変える働きがあるタンパク質が含まれる卵黄が使われ、ひんやりした気分を味わいながら、エネルギーがしっかりチャージされるメニューです。

見た目も味わいもひんやり涼感!
2つの熊谷名物がコラボした「雪くまうどん」

朝ごはんを食べた後は、八木橋百貨店に移動し、開店前に打ち水をしました。その後、商店街まで移動して、熊谷名物のかき氷「雪くま」と熊谷うどんがコラボした新メニュー「雪くまうどん」作りを体験しました。雪くまうどんは、冷やしうどんの上に、キュウリとごま、大葉やネギなどの薬味をすり合わせた冷や汁のもとを乗せ、さらに雪くまを上から乗せた、この涼活のために考案された新メニュー。冷や汁は宮崎の郷土料理として有名ですが、熊谷でもうどんのつけ汁としておなじみだそうです。

また、「雪くま」とは、「熊谷のおいしい水を使った氷を使っていること」「氷の削り方に気を遣い、雪のようにふんわりした食感であること」「オリジナルのシロップや食材を使っていること」の条件をクリアしたご当地かき氷。ふわふわの食感の氷を、冷や汁、うどんと混ぜ合わせて食べます。見た目にも、味わい的にも涼しさを十分感じられる、熊谷ならではの涼活うどんです。

「今年の夏は本当に暑くて、41.1℃を記録した日は、外に出られないほどでしたが、朝ならば比較的涼しく、クールシェアにもつながります。また、朝に動くと、その後も仕事やプライベートの活動ができるので、充実した1日を過ごすことが出来ると好評でした。これからも涼しい朝に活動をして、アツいまちならではの発信をしていきたいです。」と、アツいまちサミット熊谷支部の中島雄平さん。
「日本一暑いまちだからこそ、日本一涼しさを感じられる。そんな熊谷を目指して、これからも工夫しながら活動していきます。」とのこと。今後も熊谷ならではの暑さ対策や、涼しさを感じる工夫に注目していきましょう!


山形県山形市「用水路で映える冷やしラーメン」

74年間日本一!
山形は、冷やし文化発祥の地!?

1933年から2007年まで、74年間「日本一アツいまち」だった山形市。昔から暑い夏を乗り切る工夫が考えられてきた歴史があり、独自の「冷やし文化」が発達してきました。
特に、山形名産として、すでに確固たる地位を築いているのが、冷やしラーメン。古くからそばどころである山形では、冷たいそばは夏の定番でしたが、「冷たいそばがあるなら、ラーメンも」という声があがり、氷が浮いた冷たいスープに冷たい麺が入った「冷やしラーメン」が誕生しました。他にも、名物の玉こんにゃくを冷やした「冷やし玉こん」、水で洗ったご飯に冷水をかけ、漬物などで食べる「水まま」など、山形には涼を感じられる食文化が根付いています。
また、スッキリとした冷感を感じられる「冷やしシャンプー」「冷やしシェービング」も山形が発祥。山形の理容店に「冷やしシャンプーはじめました」と書かれた青いのぼりが立つのが、夏の風物詩となっています。

山形市の財産・堰の冷たい水に足をつけて、
冷やしラーメンを食べる!

8月8日に行われた今回の涼活は、山形の名物となった冷やしラーメンをさらに涼しく食べようと、山形市内を流れる御殿堰(用水路)に集合しました。御殿堰は、蔵王連峰を水源とし、雪解け水などが流れる馬見ヶ崎川から山形城に流れる、400年前に造られたと言われる農業用用水路。山形市のアツい夏でも、蔵王の雪解け水が元になっている堰の水はひんやりと冷たいままです。

「冷やしラーメンは、山形の夏では定番中の定番ですが、堰の水が冷たいことはあまり知られていません。山形市内には5本の堰があり、市街地を網の目のように流れています。堰には常に冷たい水が流れているので、ここに来れば涼を感じられることをもっと知ってもらおうと、堰の水に足をつけながら冷しラーメンを食べる活動を企画しました。」と、アツいまちサミット山形支部の佐藤克也さん。集まった参加者たちからは、冷たい堰の水に足をつけると、「冷たい!」「涼しい!」と歓声があがり、さらに冷やしラーメンで身体の内側からもひんやり、涼しさを感じていました。クールシェアにもつながりますよね。

今回の涼活は、地元のテレビ局も取材に訪れ、注目度大。山形市の歴史を語る財産でもある堰が、山形の夏を涼しくする貴重なスポットであることを、広くアピールすることができる涼活となりました。



「クールビズ」とは

環境省は冷房時の室温を28℃(目安)で快適に過ごすライフスタイル「COOLBIZ」を推進しています。
28℃は目安です。冷房時の外気温や湿度、建物の状況、体調等を考慮しながら無理のない範囲で冷やしすぎない室温管理をお願いします。(身近に温度計を置くことをおすすめしています。)

◆ウェブサイトはこちらから
https://ondankataisaku.env.go.jp/decokatsu/coolbiz/

「COOL CHOICE(=賢い選択)」にご賛同ください。

「COOL CHOICE」は、CO2などの温室効果ガスの排出量削減のために、低炭素型の製品・サービス・ライフスタイルを賢く選択していこうという取り組みです。
クールビズも「COOL CHOICE」の一つです。
未来の地球のために、「COOL CHOICE」に賛同して、できることから始めてみませんか?

◆ご賛同はこちらから
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/join.html

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