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大阪・関西万博で体感しよう 地球の未来!(2/2)

~あなたの今日が、地球の明日を変える~

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普及啓発

環境省では、大阪・関西万博において多岐にわたる取組を実施しています。本記事では、その中から特に注目すべき内容をご紹介いたします。

本記事は前半と後半の2部構成になっています。
こちらの後半では、暮らしに関わるすべての皆様に向けて、大阪・関西万博で体験できる未来の環境情報をお届けします。機会がありましたら、ぜひ現地に足を運んでいただき、体験型の展示やイベントを通じて、多様な人々とも交流し、未来のために自分たちができることを考えるきっかけにしていただければと思います。
また、前半では、環境ビジネスに関わる民間企業の皆様や、脱炭素に取り組む地方自治体の皆様にとって、今後の取組の参考となる情報をご紹介していますので、こちらもぜひお読みください。

また、オンラインでも楽しめるコンテンツとしてバーチャルパビリオンを出展しています。こちら「環境省によるバーチャル万博での展示」も併せてご覧ください。

見て・知って・体験する!未来の環境と暮らし

再エネ水素を使ったメタネーション実証
(再エネ水素を活用したメタネーションによる循環型エネルギーの実証)

大阪・関西万博では、私たちの暮らしと地球の未来をつなぐ、最先端の環境技術が実際に「見て・知って・体験できる」形で紹介されています。そのひとつが、再生可能エネルギーと生ごみからつくる新しい都市ガスの実証プロジェクトです。

この取組では、会場内から回収した生ごみを発酵させて得られる「バイオガス」の中のCO2や、装置で回収したCO2と、太陽光と風力などの再生可能エネルギー由来の水素を使って、都市ガスの主成分であるメタンを合成する「メタネーション」のプロセスを実際に見ることができます。

このメタンは、万博会場内の厨房設備や熱供給設備などで実際に使用されており、「ごみからエネルギー」を生み出す循環型の仕組みを体感できます。まさに、脱炭素社会の実現に向けた「見える未来」がここにあります。

出典:メタネーション設備のARイメージ画像(環境省)

この実証プロジェクトは、再生可能エネルギーと地域資源を活用した都市ガス代替の新たなモデルとして、今後の社会実装に向けた貴重な知見を提供します。民間事業者や自治体の皆様には、地域特性に応じた導入可能性や連携の機会として、ぜひ現地での視察・情報収集をご検討ください。

なお、メタネーション設備は一般向けの見学ツアー(要予約)も実施されておりますので、最先端の環境技術への理解を深める機会に、ぜひ足をお運びください。


出典:メタネーション設備の現地写真(環境省)

万博を契機としたCLT活用のさらなる推進
(CLTの活用による持続可能な建築と地域資源の循環利用)

CLTCross Laminated Timber:直行集成板)とは、木材の板を繊維方向が直角になるように交互に重ねて接着した厚みのある木質パネルで、従来の木造建築の弱点を改善し、新しい建築の可能性を広げており、大阪・関西万博の日本館では、このCLTを積極的に活用しています。

木材はCO2を吸収し、木材内部に固定化する性質を持ち、建築物の解体後も再利用することにより、建築分野での脱炭素に貢献します。さらに、CLTの使用は森林の持続的な管理を促し、SDGsの達成にもつながります。

万博終了後、使用されたCLTパネルは、建築分野を中心に日本各地で再利用され、地方創生や国土強靭化、地球温暖化対策の推進に寄与し、CLTの認知度向上や普及促進につなげていきます。

CLT活用の主なメリット

  • CO2固定による脱炭素への貢献
  • 地域産材の活用による林業振興と地方経済の活性化
  • 災害に強い建築資材としての国土強靱化への寄与

日本の国立公園の魅力発信(国立公園満喫プロジェクト)
(国立公園での感動体験とネイチャーポジティブの推進)

日本の傑出した自然景観を有する国立公園での旅は、美しい自然の中での感動体験を通じて、人の価値観を変える力を秘めています。デジタル社会が進展する中、自然の中でのリアルな旅の意義を改めて見直すとともに、自然環境や生物多様性の保全を促進する「ネイチャーポジティブ」の可能性を探ります。

環境省は、大阪・関西万博において、国立公園の非日常的な旅で得られる「感動と学び」を、国立公園ならではのストーリーとともにビジュアルで表現し、国立公園での上質な旅の先進事例を展示や映像で紹介します。

環境省は今後、各国立公園のストーリーを踏まえたプロモーションを展開し、国立公園における「感動と学び」の旅の充実を図り、提供していくと同時に、国立公園でのネイチャーポジティブの事例創出に積極的に取り組んでいきます。

この展示を通じて、たとえば自分の住む地域の近くにある国立公園を調べ、実際に足を運び、自然とのつながりを実感することで、身近な自然保護や脱炭素といった行動へとつながっていく、そしてその一歩が2030年ネイチャーポジティブの実現に向けた社会全体の動きへと広がっていく、そんな未来への連鎖が、この展示から始まることを期待しています。


出典:日本の国立公園 — 未来の世代につなぐ、ネイチャーポジティブ — イメージ画像(大阪・関西万博テーマウィーク)

未来の環境をのぞいてみよう

ジュニアSDGsキャンプ(サステナドーム)における次世代への継承プログラム
(次世代への環境教育と行動変容を促すジュニアSDGsキャンプの提供)

環境省は、大阪・関西万博において、持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development:ESD)の推進を目的に、子どもや若者向けのESD施設「ジュニアSDGsキャンプ(サステナドーム)」を展開しています。

この施設では、小学生から高校生までを対象に、1日3回程度、約1時間の体験型プログラムを実施し、脱炭素や資源循環などの環境問題、SDGs全体について考え、国際交流を通じてアウトプットする学びの場を提供しています。

主なプログラム内容は以下となります。

  • SDGs、気候変動、資源循環、自然環境などをテーマにした体験型学習
  • 国内外の学校と連携した事前・事後学習プログラム
  • 海外の学生との意見交換を含む国際交流ワークショップ
  • 万博会場内のツアーやパビリオン案内

この体験を通じて、次世代の子どもたちがこれまでの環境に関する知恵を継承し、自ら課題を見つけ、考え、発信することで、行動や態度の変容につながることを期待しています。

出典:ジュニアSDGsキャンプ(サステナドーム)のイメージ図(環境省)

環境省によるバーチャル万博での展示
(環境基本計画の発信と行動変容を促すバーチャルパビリオンの展開)

環境省は、大阪・関西万博のバーチャル会場プラットフォーム上でのバーチャルパビリオンにおいて、第六次環境基本計画で示す社会像や、我が国における環境保全の取組等を国内外に向けて発信しています。

この発信を通じて、一般市民、民間企業、地方自治体など、さまざまな立場の人々が、環境保全への理解を向上し、持続可能な社会の実現に向けて行動変容することを目指しています。

ぜひ、バーチャル万博アプリをダウンロードの上、環境省コンテンツを体験ください。

【バーチャル万博アプリダウンロード】

※PCVR版、Windows版、Mac版は、リンクをクリックするとファイルのダウンロードが始まりますので、ご注意ください。

※バーチャル万博内で、福岡伸一プロデューサーによる「いのち動的平衡館」の中に環境省として展示をしています。

出典:バーチャルパビリオンにおける環境省コンテンツ「あなたからはじまる物語」(環境省)

地球の未来と生物多様性を考える

テーマウィーク(地球の未来と生物多様性)の紹介
(国立公園・ネイチャーポジティブに関する展示と民間・自治体への示唆)

環境省は、2025年9月17日〜28日に開催される大阪・関西万博のテーマウィーク「地球の未来と生物多様性」において、以下の2つの企画を通じて参画します。

1.日本の国立公園 ー未来の世代につなぐ、ネイチャーポジティブー
  • 非日常的な旅で得られる「感動と学び」を、国立公園ならではのストーリーとともにビジュアルで紹介
  • 国立公園での上質な旅の先進事例も展示・映像で紹介
2.2030年ネイチャーポジティブの実現に向けて ー自然とその恵みを、私たちが守り・つなげていくためにー
  • 自然共生サイト、ネイチャーポジティブ経済、外来種対策、里海づくり、気候変動対策、福島の震災復興など、多様な企画展示を通じて、生物多様性の回復と自然との共生の重要性を発信

ネイチャーポジティブの実現に向けて先進的な取り組みを行っている民間企業や地方自治体からの展示も予定しており、環境施策に関わる方々にとってもネイチャーポジティブの具体的な取組を知り、応用の可能性を探る貴重な機会となります。

また同テーマウィークでは、環境省だけでなく、海外の参加国や民間企業、地方自治体、その他団体などによる展示や対話プログラムもオンライン、オフラインで多数予定されています。多様な視点からの学びや連携のヒントも得られる場として、ぜひご参加ください。

環境省主催の展示詳細

日本の国立公園 ー 未来の世代につなぐ、ネイチャーポジティブ ー
日時:2025年9月19日~9月23日 開場 09:30 閉場 18:00
場所:ギャラリーWEST
担当:環境省 自然環境局 国立公園課国立 公園利用推進室
2030年ネイチャーポジティブの実現に向けて ー 自然とその恵みを、私たちが守り・つなげていくためにー
日時:2025年9月19日~9月23日 開場 09:30 閉場 18:00
場所:ギャラリーWEST
担当:環境省 自然環境局 自然環境計画課 地域ネイチャーポジティブ推進室

おわりに

今回は、大阪・関西万博における環境省の取組を取り上げました。前半で、民間企業や地方自治体の皆様に向けて、実務に活用できる情報をお届けし、後半では、暮らしに関わるすべての皆様に向けて、大阪・関西万博で体験できる未来の環境情報をご紹介しました。いかがだったでしょうか?

ご紹介したトピックスに関連する委託事業や補助事業の詳細は、「エネ特ポータル」などの関連サイトでもご確認いただけますので、興味のある施策がありましたら、ぜひチェックしてみてください。

また、暮らしに関わるすべての皆様が、楽しく学び、体験できるコンテンツが多数用意されています。現地やオンラインでの参加を通じて、環境について考えるきっかけとしていただきたいと思います。

大阪・関西万博を契機に、多くの方が環境との関わりを体感し、自らの意思決定や行動につなげていただければ幸いです。